
米スポーツメディア『The Athletic』は11日(日本時間12日)、間もなく前半戦を終えるにあたり、現段階での賞レースを考察。「MVP」に関しては、ア・リーグはアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)、ナ・リーグは大谷翔平投手(ドジャース)とスーパースター2人を選出した。
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■最強捕手ローリーも及ばず
『The Athletic』は「中間アワード」と題して、MVPやサイ・ヤング賞争いに注目した。ア・リーグのMVPレースに関しては、現在38本塁打を記録し、トップ快走中の最強捕手カル・ローリー(マリナーズ)も候補に挙がる。
しかし、執筆したジェイソン・スターク記者は「素晴らしいスイングをする捕手に報いたいと思う人もいるだろう。気持ちは分かる」としつつ、そのほか多くの指標でジャッジが上回っていることを理由に「(ジャッジに)投票しない理由を探すのが無理だということを理解してほしい」と記し、ヤンキースの主砲に軍配を挙げた。
ナ・リーグのMVPレースに目を移すと、大谷の前に立ちはだかるのは、スターの階段を駆け上がっている「PCA」ことピート・クロウ=アームストロング外野手(カブス)。同記者は、走攻守そろったPCAについて「この男の守備を観るだけでもお金を払う価値がある。そしてオオタニが守備をしないというのも承知している」と記した。
■守備や走塁では埋まらない差
それでも大谷をMVPに推す理由については、守備を除いて比較すると大谷が圧倒していることを挙げた。「オオタニはPCAより長打率で70ポイント以上も上回り、OPSでは150ポイント、出塁率では80ポイントも上だ。さらに、オオタニは出塁回数でも50回近く多い」と指摘。そして、「果たして守備力や走塁の貢献で、この差を埋められるだろうか」と疑問を呈し、「PCAがMVPと断言できる理由を探したが、ない」とし、総合力の高いPCAでも大谷の打撃力を上回ることはできないと評した。
さらに、大谷は投手としても復帰。今後はポストシーズン、そしてワールドシリーズ(WS)での登板も現実味を帯びており、シーズン10本塁打を放った上でWSにも登板することになると、それを実現したのは1918年のベーブ・ルースだけとなる。
大谷がここまでのペースを維持すれば、最終的には54本塁打、12三塁打、153得点、21盗塁、OPS+176という、またしても驚異的な数字をマークすることになる。同記者によると、この成績に近い選手を探すと、1921年のベーブ・ルース(OPS+239、59本塁打、16三塁打、177得点、17盗塁)と1955年のウィリー・メイズ(OPS+174、51本塁打、13三塁打、123得点、24盗塁)くらいしか見当たらないという。
歴史的観点から見ても、PCAが大谷を上回ることは至難の業となりそうだ。
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