【カタールW杯】連覇狙うフランスに“最強のダークホース”モロッコが挑む カギ握るムバッペとハキミのPSG対決 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【カタールW杯】連覇狙うフランスに“最強のダークホース”モロッコが挑む カギ握るムバッペとハキミのPSG対決

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【カタールW杯】連覇狙うフランスに“最強のダークホース”モロッコが挑む カギ握るムバッペとハキミのPSG対決
  • 【カタールW杯】連覇狙うフランスに“最強のダークホース”モロッコが挑む カギ握るムバッペとハキミのPSG対決

FIFAワールドカップカタール2022は、日本時間14日に準決勝のフランス対モロッコの試合が行われる。史上3カ国目となる連覇を狙うフランスに、今大会の“ダークホース”としてアフリカ勢では初のベスト4に勝ち上がってきたモロッコが挑む。

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■ベテランと若手の融合

フランスは、前回大会王者として挑んだ今大会、グループステージ初戦のオーストラリア戦は4-1、2戦目では難敵デンマークを2-1で下すなど、2勝1敗でグループDを首位通過。2014年大会のスペインや2018年大会のドイツなど、前回優勝国がGS敗退するというジンクスをあっさりと覆し決勝トーナメントへ。そして、ポーランド、イングランドを退け、2大会連続でベスト4へ勝ち進んだ。

フランスを支えるのが前回大会を優勝した経験値のある選手と、ベテランに代わる新たな選手の台頭である。オリヴィエ・ジルーアントワーヌ・グリーズマンウーゴ・ロリスなど前回の主力が君臨しつつ、イングランド戦でゴールを決めたオーレリアン・チュアメニや、最終ラインのダヨ・ウパメカノなど、故障者が現れてもそこを埋められる質の高い選手がいるのがフランスの強さである。

そして、前回は4ゴールを決めてFIFAが選出するベストヤングプレーヤー賞に輝いたキリアン・ムバッペが今回はエースとして参戦。23歳を迎えたムバッペは左サイドで、爆発的なスピードを武器に違いを生み出し、デンマーク戦、ポーランド戦で2ゴールを奪うなど計5ゴール。今大会の得点王獲得に向けてポールポジションに立っている。

■自慢の堅守と右サイド

対するモロッコは、GS初戦で前回準優勝国のクロアチア相手にスコアレスドローに持ち込むと、2戦目はタレント力で勝るベルギーを2-0、3戦目には36年ぶりに出場したカナダを2-1で下し、難敵の揃うグループFを首位突破した。GSの勢いそのまま、スペインとのラウンド16ではPK戦の末勝利し、準々決勝ではポルトガル相手に粘り強い戦いを見せ、1-0で勝利してみせた。

モロッコの躍進を支えるのが、カナダ戦のオウンゴールのみという堅守である。守護神のヤシン・ブヌ、最終ラインのロマン・サイス、中盤のソフィアン・アムラバトといった選手がセンターラインを担い、ベルギーやスペイン、ポルトガルといった強国相手にも怯まない戦いを見せた。前線にタレントを揃えるフランス相手にも、この守備を活かした戦いは引き続き有効となるだろう。

そして、右SBのアクラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン)、右WGのハキム・ツイェク(チェルシー)といったビッグクラブでプレーする選手たちが右サイドを支配する。マッチアップが予想されるハキミとムバッペはPSGの同僚であり、守備に戻ることが少ないムバッペのスペースをハキミとツイェクが突き、前線で基準となれるユセフ・エン・ネシリにボールを供給できれば、モロッコの流れにすることも不可能ではない。

アフリカ勢初のベスト4進出を果たしたモロッコ(C) Getty Images

■カウンターを得意とする両軍

どちらも相手を引き込んでのカウンターを得意とするチームだが、戦力で勝るフランスがボールを握る時間が増えてくるだろう。相手がスペースを埋めて、ムバッペのスピードを消してきた場合は中央のジルーの高さを活かすことができ、中盤のチュアメニはイングランド相手に強烈なミドルシュートを決めて見せた。前回ムバッペがノーゴールに終わった中で、ほかのタレントが結果を残して勝ったことがディディエ・デシャン監督率いるチームの分厚さを物語る。

しかし、アフリカ勢初のベスト4進出モロッコの勢いがフロックではないことは、厳しいGSを首位通過し、スペイン、ポルトガルという相手を下してきたこれまでの戦いが示す通り。自慢の堅守を武器にフランスの攻撃陣を封じた上で、ハキミ、ツィエフ、エン・ネシリを中心としたタレントの力で前回王者を慌てさせることができれば、決勝進出というさらなる境地に達することも見えてくる。

前回王者として挑んだフランスは、豊富な経験値に若手の対応が加わり、総合力の高いチームとしてベスト4まで歩を進めてきた。対してモロッコはダークホースとして大会を盛り上げるだけでなく、優勝争いにも加わってきた。カラーの異なる両軍が相まみえる準決勝、果たして決勝の舞台に勝ち進むのはどちらか。

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文●井本佳孝(SPREAD編集部)

《SPREAD》
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