柔道金メダリストであるダビッド・ドゥイエ氏(フランス)が来日し、2024年夏季五輪候補地として立候補したパリへの応援を日本のファンに呼びかけた。「東京五輪の準備態勢からいろいろなことを学びたい」と意欲を見せた。
ドゥイエ氏は1996年のアトランタ五輪95kg超級で優勝。2000年シドニー五輪100kg超級では決勝戦で日本の篠原信一と対戦し、その後物議をかもし出したジャッジによりふたつ目の金メダルを獲得した。その後政界に進出し、サルコジ政権下の2011年にスポーツ省に就任した。またテレビ局のスポーツコンサルティングや起業家として実業界での経歴も多い。
今回はイルドフランス地域圏議会の副議長として来日。同議会のバレリー・ぺクレス議長、パリのアンヌ・イダルゴ市長らと東京都の舛添要一知事を訪問するなど精力的に情報収集。2月29日にはフランス大使公邸での記者会見に参加。同じく柔道選手から政界に進出した谷亮子議員と会場での再会を楽しみにしていたが、谷議員が体調を崩して欠席して実現しなかった。
「五輪開催は大きな責任が伴うが、日本で会う人たちにその決意を感じた」とドゥイエ氏。選手として自らの体験を加えながらコメントしている。
「選手村に集まった世界中のアスリートたちは、開催期間中にともに過ごす。宗教や肌の色も違うし、生活習慣だって異なる。それでも五輪は素晴らしい光景を世界中の人に届け、最終的に成功してきた。この世界の豊かさというのはそこにあるんじゃないなと私は思っている」
五輪招致としては東京のほうが先輩格であり、成功を収めている。3大会連続で招致に失敗しているパリとしてはドゥイエ氏の言葉を借りれば今回は「謙虚な姿勢で東京に学びにやって来た」という。
「東京がいま、どんな準備をしているのか。スポーツにおいても人生においても学ぶことはたくさんある。日本から、柔道以外のこともたくさん学んでいきたい」
《山口和幸》
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