「パリは日本の人たちが必要なんです」。フランスの首都パリのアンヌ・イダルゴ市長が来日し、2月29日にフランス大使公邸で記者会見を行った。パリの安全性をPRして日本人観光客の訪問を促すとともに、2024パリ五輪招致への協力を呼びかけた。
世界一の観光大国フランス。その中でも花の都と呼ばれるパリは毎年多くの日本人観光客が訪れてきた。しかし2015年11月の同時テロ以降、日本からの観光客は前年同月比で22%減。諸外国の中でも治安に不安を抱く日本人の訪問意欲に悪影響を与えた。
今回の来日では「パリは以前の活気が戻っていて、安全面でも心配ない」ということをアピール。「パリはテロで傷ついたが、観光、美食、文化は以前のような魅力を失っていない。ぜひパリにやって来てほしい」と呼びかけた。
また一大プロジェクトである2024年夏季五輪候補地としてもイダルゴ市長の来日には重要な使命があった。2020年の招致を成功させた東京都の戦略を学ぶためという。東京都の舛添要一知事と面会し、「東京とパリは姉妹都市」であることを強調して東京都のバックアップを引き出すのもねらいだ。
イルドフランス地域圏議会のバレリー・ぺクレス議長を伴っての来日。パリを中心とした同地域圏は日本で言えば関東地方であり、政党の違うふたりの女性首長がタッグを組んでプロモーションするのは異例のこと。それだけパリとその周辺にとって日本は最重要拠点であるという考えがうかがえる。
市長は毎年パリにゴールする世界最大の自転車レースへの思いにも触れた。
「私はパリでツール・ド・フランスのゴールを見るのも大好きです。なぜならそれは魔法のように素晴らしいシーンだからです。ツール・ド・フランスは五輪の次に美しいスポーツだと感じています」
《山口和幸》
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