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ロサンゼルス・エンゼルスのアート・モレノ・オーナーが23日(日本時間24日)、球団の売却意思を明らかにしたことにより、米メディアからも大谷翔平のトレードについて既成事実であるかのように取りざたされている模様だ。
『CBSスポーツ』は、大谷トレード先の最有力候補として、すでに5つのチームの名前を挙げ、その可能性を考察している。
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■ロサンゼルス・ドジャース
ドジャースは、高校卒業時から大谷をピックアップしているため、今回のトレードでも筆頭とされる。また編成部門の責任者アンドリュー・フリードマン取締役は、大型トレードを好むことでも知られる人物。
トレード要員としても、エンゼルスにとって魅力的な選手が想定され、捕手のディエゴ・カルタヤ、投手としてはボビー・ミラー、ライアン・ペピオット、ギャビン・ストーン、さらに内野手ではミゲル・バルガス、マイケル・ブッシュの名が挙がっている。
唯一、トレードを妨げる要因があるとするならば、エンゼルスが同エリアのライバル球団に、大谷を放出したくない…という理性的ではない理由だけだ。
■ニューヨーク・メッツ
メッツも最有力候補として取りざたされている。スティーブン・コーエン・オーナーは潤沢な資金力を誇り、そのおかげかチームは現在、ワールドシリーズを狙えるほどに充実している。何よりもビリー・エプラーGMは、エンゼルスと大谷の契約をお膳立てした張本人。大谷とのパイプもある。
トレード要因としても、エンゼルスが希望するだろう若手を保有している。三塁手のブレット・バティ、有望捕手フランシスコ・アルバレス、さらに捕手ケビン・パラダ、遊撃手ジェット・ウィリアムズなど名も挙がり、さらには来年のドラフト1巡目指名権さえチラつかせている。
また、メッツにとってトレードを押し止める複雑なチーム事情もない点も大きな要素だろう。
■セントルイス・カージナルス
カージナルスにとって大谷の獲得は理にかなっている。元同僚でもあるレジェンド、アルバート・プホルスは引退の意向を翻しておらず、大谷の打棒を必要としている。また、要員としても、ピッチャーとしてクーパー・イェルペ、ゴードン・グレーセフォ、マシュー・リベラトーレなどが候補に挙がる。
問題は「ヒリヒリした9月を送りたい」大谷にとって、カージナルスが最適なのかという点に限る。
■ニューヨーク・ヤンキース
メジャーのほとんどの球団がそうであるように、ヤンキースは大谷の着地点として候補になる。問題は今夏、フランキー・モンタスら獲得のため、マイナー選手を放出してしまい、有望株をトレードできるかという点。それでも遊撃手としてアンソニー・ヴォルペ、オズワルド ペラザ、外野手としてジャソン・ドミンゲスらが残されている。
最後に残る大きな問題点は、今季ア・リーグのホームラン王争いを独走するアーロン・ジャッジとの契約だ。ジャッジは今季、シーズン突入後も契約金額が確定せず、6月末に1,900万ドルの単年契約を交わしたにとどまっている。ジャッジの契約を優先するとの見方が有力だけに、大谷のトレードまで余力が残るかが焦点だろう。
■テキサス・レンジャース
ワイルドカード争いを繰り広げるレンジャースは、今後チームの再建に必要となる核を模索する必要があり、大谷をその中心となる選手と見込んでいる。
候補にも三塁手ジョシュ・ジョンほか、投手にはジャック・ライター、オーウェン・ホワイト、クマール・ロッカー、ブロック・ポーター、さらに外野手にはエバン・カーターの名が挙がっている。
球団売却騒動によって、米メディアも大谷のトレードは不可避と見込んでいる。果たして来季、大谷のまとうユニフォームは何色となっているのだろうか。それとも、「トラウタニ」打線は来季も健在なのか、気にならない日本の野球ファンはいないだろう。
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文●SPREAD編集部