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トロント・ブルージェイズの菊池雄星が8日(日本時間9日)、敵地でのボルチモア・オリオールズ戦に先発。5回0/3を投げ、3本塁打含む6安打5失点で6敗目(4勝)を喫した。3点ビハインドの6回、先頭に四球を与えたところで降板、防御率は試合前の4.86から5.13になった。試合はブルージェイズが追い上げたものの、7ー4でオリオールズが勝利した。
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■疲弊リリーフ陣温存に貢献
菊池は初回、連続四球などで2死一、三塁のピンチを招くと、5番のラモン・ウリアスに先制3ランを浴びた。外角高め95.8マイル(約154キロ)の直球を右中間スタンドに運ばれると、思わずしゃがみ込んでしまった。
2回は無失点に抑えたものの、3回には2死走者なしから3番アンソニー・サンタンダー、4番ライアン・マウントキャッスルに2者連続でソロアーチを献上。サンタンダーには96マイル(約154キロ)直球を左中間へ、マウントキャッスルにはスライダーを左翼席にたたき込まれた。4、5回は無失点で切り抜けたが、6回に先頭打者に四球を与えたところで降板した。
ジョン・シュナイダー監督は試合後、「キクチの姿は球数を除き、我々が望んでいたものだった。ブルペンが手薄だった中、彼は6回までよく投げてくれた」と話し、疲弊しているリリーフ陣の投入を最小限に抑えることにつながった投球を評価した。その上で、「これからもチャンスを与える」とし、一部でささやかれる中継ぎなどへの配置転換を否定した。
■「リズムをつかむのに苦労」
菊池はこの日の投球について、「序盤は自分のタイミング、リズムをつかむのに苦労した。3回を終えてからは落ち着くことができた」と振り返っていたが、最近同じような失敗が続いている。四死球を与えたのち、安打を許し失点するという悪循環から抜け出せない。与四球43はリーグワースト9位タイ、与死球7は同7位タイ(投球回74)と数字的にも制球に課題があることは明らか。ちなみに、大谷は与四球24、与死球1(投球回105)となっている。
指揮官は擁護する姿勢を見せたが、地元紙は不満を隠さない。『トロント・サン』は「キクチは今シーズン、好転すると信じるたびに大きく一歩後退する」と記し、復調になかなか至らぬ状況を心配した。チームは首位ニューヨーク・ヤンキースに差をつけられているとはいえ、ア・リーグ東地区で2位につけている。ポストシーズンを見据えた上でも左腕の復活は不可欠。巻き返しに期待が集まる。
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文●SPREAD編集部