
MLB公式サイトは14日(日本時間15日)、「オオタニの契約延長はどうなるのか」という見出しを付け、記事を公開。来季終了後にフリーエージェント(FA)となる大谷翔平の現状と今後の展望について言及したほか、8月に期限を迎えるFA・トレード市場の動向についても考察している。
◆大谷翔平、“史上最高年俸”到達の可能性は… 米記者が契約延長のポイント解説
■シャーザー超えの期待も
公式サイトはまず、「ショウヘイ・オオタニが2023年シーズン終了後にFA資格を得ることで、この二刀流のスーパースターとエンゼルスの将来が、クラブにとって当面の課題になる」と指摘。続けて、『The Athletic』のケン・ローゼンタール記者が伝えた情報を紹介。同記者によると、エンゼルスと大谷の代理人はスプリングトレーニング中に会談し、「エンゼルスは、オオタニにニューヨーク・メッツのマックス・シャーザーの平均年俸4330万ドル(約56億3000万円)を上回る年俸を提示する必要があることに理解を示したものの、長期の大型契約を提示することには消極的だった」と報じた。
同サイトやローゼンタール記者が挙げる、エンゼルスが大谷との長期契約に消極的な理由は大きく分けて二つ。大谷を際立たせる「二刀流」というパフォーマンスがいつまで可能なのか、そこを見極めるのが現実的に困難ということ。もう一つは単純にエンゼルスの財政事情ということになる。
■“失敗”続きだった長期契約
前者でいえば、大谷は日本からメジャーに移籍して以来、トミー・ジョン手術や左膝の手術を受けるなど、すでに多くの負傷を経験している点がネック。
大谷が現在の仕事量をいつまでこなせるか、そこに疑問符が付いている。また、後者に関しては、これまでエンゼルスが行ってきた長期大型契約による“負の歴史”がある。アルバート・プホルスや、ジョシュ・ハミルトン、C・J・ウィルソンらと結んできた長期契約は、チームが望んでいたような成績には反映されなかった。現在も7年総額2億4500万ドル(約265億9600万円)でアンソニー・レンドンと契約しているが、果たして今のパフォーマスは納得できるものか……。長期の大型契約自体に懐疑的な目が向けられていることは確かだ。
主に上記の観点から、エンゼルスは渋っているようだが、ローゼンタール記者は、「二刀流」という大谷が放つインパクトを考えると、「やはりMLB史上最高額の選手であるべきケース」と考えているようだ。
マイク・トラウトと大谷というMVP選手を抱えながら、エンゼルスは2014年以来ポストシーズンに到達しておらず、高い給与を支払い続けている。エンゼルスは、大谷を引き止めるだけの提示をできるのか。もちろん大谷自身が、待遇よりも強豪チームへの移籍を求めるケースも考えられるが、先述した二つの観点から手を挙げるチームは意外に少ないという観測もある。
プレー以外でも二刀流を巡る話題は尽きない。
◆なぜ大谷翔平は「世紀の野球選手」なのか 米メディアが“二刀流経験者”による評価を交えて考察
◆エンゼルスは「自信を勝利に変えなければならない」と米紙が指摘 大谷翔平、休養で結果求められる
◆大谷翔平のサポーティング・キャストが続々復帰へ V字回復への鍵はWIFF
文・SPREAD編集部