【東京五輪】五十嵐カノア、都筑有夢路らが切り拓く未来 次世代育成注力で“サーフィン大国”へ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【東京五輪】五十嵐カノア、都筑有夢路らが切り拓く未来 次世代育成注力で“サーフィン大国”へ

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【東京五輪】五十嵐カノア、都筑有夢路らが切り拓く未来 次世代育成注力で“サーフィン大国”へ
  • 【東京五輪】五十嵐カノア、都筑有夢路らが切り拓く未来 次世代育成注力で“サーフィン大国”へ

東京五輪サーフィン競技が、7月25日から27日の3日間にわたり、千葉県一宮町の釣ヶ崎海岸(志田下ポイント)で行われた。今五輪から新たに採用された競技で、日本代表は男子の五十嵐カノアが銀メダル、女子も都筑有夢路が銅メダルを獲得して歴史に名を刻んだ。


五十嵐、都筑の奮闘で日本もサーフィン大国の仲間入りを果たしたといえるのではないだろうか。


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■五十嵐、大原はパリ五輪挑戦も表明


東京五輪で日本代表に選ばれた五十嵐と大原洋人は、大会終了後に次のパリ五輪にも挑戦することを表明した。現時点(2021年8月1日)で五十嵐が23歳、大原も24歳。年齢的にはメダルを十分に狙えるはずだ。


女子では、20歳の都筑、23歳の前田マヒナはまだ挑戦を明確にしていないが、再び五輪を目指すことになるはずだ。サーフィンでは、都筑の20歳や五十嵐の23歳あたりから急激な成長曲線を描き始め、今五輪で金メダルを獲得したイタロ・フェヘイラ(ブラジル)のように27歳前後でピークを迎えると言われている。


実際に、東京五輪でベスト4に残った男子の顔ぶれを見ると、フェヘイラが27歳、ガブリエル・メディーナ(ブラジル)が28歳、オーウェン・ライト(オーストラリア)が31歳。女子もカリッサ・ムーア(米国)が28歳、ビアンカ・ブイテンダグ(南アフリカ)が27歳、キャロライン・マークス(米国)が19歳。この結果を考えるとやはり27歳、28歳あたりがゴールデンエイジとなり、五十嵐、大原、都筑、前田は次の五輪での活躍に期待が持てる。


五十嵐は五輪後の会見で、「一番のモチベーションはネクストジェネレーションのため。日本の子供たちに良いサーフィンを贈りたい」と語った。五十嵐も2024年のパリ五輪に挑戦するが、日本代表を争うであろうネクストジェネレーションも確実に力をつけているはずだ。


■注目の若手選手が目白押し


男子では日本サーフィン連盟の2021年強化指定選手に選ばれた15歳(2021年8月1日時点)の酒井仙太郎。女子でも13歳ながら2020年のジャパンオープンで8位に入った池田美来。他にも岩見天獅、惜しくも東京五輪日本代表の選から漏れた松田詩野脇田紗良野中美波など注目の若手が目白押しだ。


世界で戦うためには、幼少の頃から海外に目をむけて世界の強豪と戦う必要がある。そのためには、世界と戦う舞台が整っていないといけない。そこで、一般社団法人サーフィンジャパンインターナショナル(SJI)は、ジュニア世代が世界へ飛び立つ舞台を作るため、A WAY TO THE WORLDをモットーに、ハイレベルでエンターテインメント性を持った質の高い国際大会開催を目指し、国内におけるワールドサーフリーグ(WSL)関連の各種大会及びイベントをWSL APACと連携して実施している。


また、日本のサーフィンを世界レベルに保つためのハイパフォーマンス育成事業も行っている。これら一連の取り組みを行うことによって、トップアスリートを生み出し、その背中を追う次世代サーファーを輩出することで日本のサーフィンレベルを国際水準に保つことができる。


「パリ五輪、ロス五輪に向けて力をため込んでいる」


SJIの近江俊哉代表理事は、ジュニアの育成や活躍する場を整えていく方針だ。


「次のパリ五輪、ロサンゼルス五輪に向けて力をため込んでいます。3年後、7年後から逆算して一番ピークを迎える24、25歳から10を引くと、今が14~15歳の子供たちに注目します。さらに、5歳を引いた10歳くらいの子たちも、ロスやその後のブリスベン五輪(サーフィンが行われるかは未定)に夢が持てます。WSLのジュニアチャンピオンシップからQS、CSと戦い、CTへと昇りつめる。その過程の中で五輪も行われます」。


今五輪のメダリストであるフェヘイラやライトも自国のジュニア世代から這い上がってきた。日本でも五十嵐はもちろん、都筑が2019年に日本人初のWJC(ワールドジュニアチャンピオンシップ)を制してから、CTへと参戦し五輪のメダリストになった。


まさに近江氏が描く育成プロセスだ。この育成過程が定着すると、五十嵐や都筑のような世界で戦えるトップアスリートが続々と出現して、日本を永続的なサーフィン大国にする。そして、今五輪の経験がレガシーとして後世に脈々と受け継がれていけば、日本のサーフィン界は明るい。


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著者プロフィール


一野洋●スポーツライター


青山学院大学を卒業後、米軍厚木基地に就職。その後、NFLを題材にしたライターを目指して渡米。アメリカでは寿司職人を経て、日系フリーペーパーの編集者となりNFL、MLB、NBAなどを取材。帰国後はNFL日本語公式サイト、海外競馬サイトのディレクション業務などに従事した。現在は、NFL、Xリーグ、サーフィン、海外競馬、ゴルフ、テニスなど様々なスポーツを扱うスポーツライターとして活動中。

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