男子フィギュアスケートで五輪連覇を果たした羽生結弦選手は、次の目標に世界初のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を掲げ、フィギュアスケートの限界を引き上げようとしている。
そのために必要なことはフィジカルの強化だと言うのは、羽生選手を指導するブライアン・オーサーコーチ。IOCの公式メディア『オリンピックチャンネル』に語った。
4回転アクセルには「もっと高く、力強く」

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オーサーコーチは羽生選手がクワッドアクセルを跳ぶ可能性について、技術的には可能だが身体能力のさらなる向上が必要だと語った。
「ユヅと私はクワッドアクセルを跳ぶための方法について話し合ったことがある。彼は素晴らしいテクニックを持っている。2人とも問題はよりフィジカルなものという意見で一致した」
夢の4回転半には「高さが足りないといけないし、もっとパワーも必要になる」とオーサーコーチ。
世界選手権中止 そのとき選手たちは「『分かった』と言ってくれた」

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羽生選手のジャンプ指導を担当するジスラン・ブリアンコーチは、3月の世界選手権で羽生選手がクワッドアクセルに挑戦することを示唆していた。だが大会は新型コロナウイルスの影響で中止になり、羽生選手の挑戦は来シーズンへ持ち越された。
オーサーコーチは、指導する選手たちが世界選手権中止を聞いたときのリアクションについても語っている。
「つらくて残念だったけど、選手たちが『分かった』と言ってくれたことを誇りに思っている。彼らは世界で何が起こっているか事の重要性を完全に理解していた」
世界選手権の中止に「がっかりした」と話すオーサーコーチは、「来年またやり直そう」と気を取り直した様子だが、本当に来年また世界選手権が開催されるかは未知数と語る。
「来年はあるだろうか。グランプリシリーズや国内選手権は開催できるか? 分からない。欧州選手権、四大陸選手権、世界選手権が開催されることを願おう」