【THE REAL】日本代表・井手口陽介が放つ大器のオーラ…成長を加速させるふてぶてしさと負けじ魂 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE REAL】日本代表・井手口陽介が放つ大器のオーラ…成長を加速させるふてぶてしさと負けじ魂

オピニオン コラム
井手口陽介 参考画像(2017年6月7日)
  • 井手口陽介 参考画像(2017年6月7日)
  • 井手口陽介 参考画像(2017年6月7日)
  • 井手口陽介 参考画像(2017年5月9日)
  • 井手口陽介 参考画像(2017年4月25日)
  • 今野泰幸 参考画像(2017年6月7日)
■レジェンドたちを魅了する底知れぬ才能

日本代表で歴代最多となる通算152ものキャップを獲得。ワールドカップの舞台に3度立っている37歳の大ベテラン、MF遠藤保仁が独特の飄々とした口調で、ガンバ大阪の可愛い後輩を称えたことがある。

「ゆくゆくは日本を代表するような選手になる能力の持ち主ですから」

目の前で豪快なミドルシュートを2発も、それも左右両足から叩き込まれたDF中澤佑二(横浜F・マリノス)が、敵味方の垣根を越えて試合後にこんな言葉を残したこともあった。

「彼は化けますよ」

中澤も歴代4位となる110キャップを獲得し、2度のワールドカップに出場している。百戦錬磨のレジェンドたちを魅了してやまない才能の持ち主、MF井手口陽介が新たな戦いへの第一歩を踏み出した。

シリア代表を東京スタジアムに迎えた7日のキリンチャレンジカップ2017。0‐1とビハインドを背負った後半8分に、MF山口蛍(セレッソ大阪)との交代でピッチに投入された。

高校3年生へ進級する直前の2014年3月に、ガンバ大阪ユースからトップチームに昇格。4年目の今シーズンからは「8番」を背負い、主力の貫禄を漂わせる20歳が待望の初キャップを獲得した瞬間だった。

待望の初キャップを獲得したシリア戦
(c) Getty Images

「試合に出たいと思っていた分だけ、責任というものも感じましたし、そこはちょっとだけ緊張しましたけど。でも、雰囲気がいいほうが自分も乗りやすいので、やっていて楽しかったです」

1分もたたないうちに、井手口は前方にいる味方をどんどん追い越し、右サイドに深く侵入しようとした。味方のパスが相手に引っかかって空砲に終わったが、頼もしさすら感じる強心臓ぶりが伝わってくる。

17分にはFW乾貴士(エイバル)から自身へのパスがずれ、相手ボールになった瞬間に守備モードへスイッチ。ドリブルする相手との距離を猛然と詰め、果敢なスライディングタックルでボールを刈り取った。

■代表戦で実現したガンバトライアングル

開始早々に山口が右足を痛めたこともあり、急きょ訪れたA代表デビュー戦の舞台。誰もが必死に乗り越えてきた、緊張と興奮とが交錯する瞬間を井手口は心地よく感じていた。

「シリアは前半から、前へ、前へとアグレッシブに来ていた。監督は試合前から『人に行け』と言っていたので、自分が出たときにはそうしようと」

171センチ、71キロと決して大きくはない体に無尽蔵のスタミナを搭載。対人における無類の強さとボール奪取術、献身的なハードワークを武器とする男にとって、これ以上はない指示だった。

託されたポジションはアンカー。例えれば逆三角形型となる中盤の底を担い、前方に左右対で位置するインサイドハーフや最終ラインと連動して幅広いエリアをカバーする。

井手口が投入されたとき、インサイドハーフは今野泰幸と、左肩を脱臼した香川真司(ボルシア・ドルトムント)に代わり、前半10分から緊急出場していた倉田秋が組んでいた。

ガンバのチームメイト 今野泰幸
(c) Getty Images

ともにガンバの頼れるチームメイトだったことも井手口をリラックスさせ、同じくガンバの先輩、FW宇佐美貴史(アウグスブルク)をして「怪物」と言わしめた能力を開放させたのだろう。

「普段から一緒にプレーしているので、やりやすさを感じました。アンカーもガンバではちょいちょいやらせてもらっているので、あまり問題はないというか、難しくはなかったです」

獰猛な猟犬を彷彿させるピッチを離れれば、シャイな20歳に変身する。極度に人見知りすることでも知られる男が、試合後の取材エリアで必死に言葉を紡ぎ、アニバーサリーを迎えた胸中を伝えている。

それでも沈黙を招いてしまう井手口が、この日にかけていた思いは試合中の右手首に象徴されていた。ガンバで巻く白い汗止めは、この日だけは日本代表のチームカラーである青のそれに代わっていた。

■ピッチで表現されるようになった負けん気

ハリルジャパンに招集されるのは2度目。昨年11月の2試合はベンチで戦況を見つめるだけで終わったものの、バヒド・ハリルホジッチ監督は異例の「井手口賛歌」を連発している。

「彼はずっと追跡している。ボールを奪うこともフィジカルも伸びている」

「彼は毎試合どんどん成長している。ボールを奪ってからつなぐパスも、背後へのパスもいい」

「彼は美しいゴールも決めるし、前にもいける。まだ20歳で、将来もある」

2試合に出場した昨夏のリオデジャネイロ五輪でさらに自信を膨らませ、帰国後にはガンバでもレギュラーをゲット。潜在能力が相乗効果で、急ピッチで解き放たれている時期だった。

ガンバでの躍動
(c) Getty Images

指揮官が言う「美しいゴール」とは、冒頭部分で記した、中澤が思わず脱帽した2発を指す。昨年10月22日のマリノス戦から約2週間後に、ハリルジャパン入りの吉報が届いた。

成長のスピードが加速した理由はどこにあるのか。井手口の一挙手一投足を背後から見る機会が多い元日本代表DF丹羽大輝は、いわゆる「表現力」に帰結させながら、頼もしげな視線を送ったことがあった。

「もともとは負けず嫌いな性格なんですけど、それをなかなか出せなかった。いまはピッチの上で少しずつ表現できるようになっているし、球際の攻防ひとつを取っても、周囲の人たちから『オイ、井手口って強いな』と思わせるくらいに激しくファイトしていますからね」

今年3月のアジア最終予選シリーズでも構想に入っていたが、直前に故障したこともあって見送られた。3試合目にしてつかんだ出場機会を喜びながらも、井手口は自らのプレーに決して及第点を与えない。

「ボールを奪ったところからの繋ぎが、ショートパスばかりだった。もっとロングパスや縦パスを繰り出して、勝負をかけることが自分の理想だし、攻撃参加も含めて今日はなかなかそれができなかった」

球際の攻防で強さを見せる
(c) Getty Images

■シリア戦で得たデュエルを制するためのヒント

日本代表での戦いはまだ続く。引き分け以上で6大会連続のワールドカップ出場へ王手をかけられる、イラク代表とのアジア最終予選第8戦のキックオフが目前に迫ってきた。

舞台はイランの首都テヘラン。イラク国内の政情不安が長く続く状況から、中立地となる第三国で行われる大一番へ。ハリルジャパンはシリア戦翌日の8日に日本を発ち、調整を続けてきた。

しかし、香川が離脱を余儀なくされたチームは、他にもけが人が続出。山口に至ってはテヘラン入り後も別メニュー調整が続き、前日12日になってようやく全体練習に復帰した。

ただ、状況的には予断を許さない。肉弾戦が必至のイラクとの真剣勝負を戦えない、と指揮官に判断されれば、イラクを想定して組まれたシリア戦で守備面においてインパクトを残した井手口の出番となる。

前日にはAFC(アジアサッカー連盟)から背番号も発表され、井手口はシリア戦の「24番」から「14番」へ変わった。若くなった分だけ、ハリルホジッチ監督の期待が込められていると言っていい。

「今日だけでは自信というものはあまりつかないですけど、今日のようなプレーを継続していければいいんじゃないかと思っています」

シリア戦後にこう言い残し、井手口はテヘランへと飛び立った。一方で年齢制限のないA代表において、自身の最大の武器である球際の攻防、指揮官が求める「デュエル」を体現するためのヒントもつかんだ。

「Jリーグで戦っている選手たちよりも体が大きい分だけ、俊敏性などはあまりない。だからこそ、最初の一歩で間合いを詰められれば問題はないと思っている」

アンカーやインサイドハーフはもちろん、ダブルボランチを組む際の一角も務められる中盤のユーティリティープレーヤー。年齢に似つかないふてぶてしさと落ち着きが、ハリルジャパンの新たな力となる。
《藤江直人》
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