高橋尚子が市民マラソンランナーに伝えた秘伝のイメージ走法とは | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

高橋尚子が市民マラソンランナーに伝えた秘伝のイメージ走法とは

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高橋尚子が市民マラソンランナーに伝えた秘伝のイメージ走法とは
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「ユナイテッド・グアムマラソン2017」レース直前となる4月7日、大会アンバサダーで2000年シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんが、マラソンの走り方についてアドバイスを送った。

特にグアムマラソンは上り坂と下り坂が非常に多いコースだ。

「上りと下りで同じ走り方をすると、同じ筋肉に負荷がかかってしまう」と話す高橋さん。重要なのは上り坂と下り坂で「走り方を変えること」だそうだ。上半身、下半身と体全体でマラソンを制覇することが求められる。

「上り坂では全員が同じ気持ちです。みんな『どこまで登るんだろう』と思っています」

ランナーが心がけるべき事は「頂上を見ないこと」だ。頂上を見てしまうと目線と同時にあごが上がる。あごが上がると必然的に上半身が後ろに傾く。この状態になると、足を一生懸命前に出しても歩幅が小さくなってしまうのだ。

「地面を見れば上りは気のせいだと思えます。あごを引いて、頭を前にだすように。腕をしっかり振れば、足が自然と前に進みます」

高橋尚子さん:参考画像


また、続けて高橋さんが重要視したのは「イメージ」だ。精神的な思い込みは、実際のパフォーマンスにも大きく影響する。

「川内優輝選手も『上り坂を見るだけで精神的にキツくなります。精神的に感じた辛さは、体にでてきてしまう』と話していました。地面を見て、上り坂は気のせいだと思いましょう」

「私は、上りの時は『私は小猿』と思いこんでいました。ジャングルで、木と木の間をピョンピョン飛び跳ねる小猿を思い浮かべ、自分の身体は軽いんだ、軽やかさがあるんだと」

「そして下りの時は『私は小石、私は小石』と言い聞かせていました。小さな石ころがコロコロ落ちるように、スムーズに転げ落ちるように」

グアムマラソンで参加者と触れ合う高橋尚子さん


下りの時、負担がかからないように、高橋さんは普段より手を上げて抱え込むように腕を早めに振る。この走り方はすぐに取り入れられるいい例だろう。そして、もう一例参考になるのは「忍者走り」で耳目を集めた安藤友香選手。高橋さんは、この2例を挙げて「いつもより高めか低めで」腕を振ることをアドバイスした。

続けて上り坂に関する現役時代のエピソードも笑いを交えて明かした。

「よくやってしまいがちなのが、上りきった時に息をついてついホッとしてしまうこと。私を現役時代に指導してくれた小出義雄監督は、『高橋!上りを全力で行け!上りきった後も全力で行け!そして下りも全力で行け!』と私にいつも言っていましたけれど、『おいおい、いつ気を抜くんだ』と(笑)。でも、私は小出監督よりも優しいですから、皆さんに上り切った後の100mだけ頑張るようにお伝えします」

グアムマラソンで参加者と触れ合う高橋尚子さん


過呼吸になって苦しくなった場合は、息を吸うより、息を吐くことに意識を置くべきだという。「強く息を吐くと空気がはいってきます。下りでは息を吐くのを強くしましょう」

最後に高橋さんは以下のようにイメージ走法の効果について語り、説得力を持たせた。

「小猿、小石と『Qちゃん何を言っているんだ』と思う人もいるかもしれませんが、私が金メダルを獲得したシドニーオリンピックも起伏が多いコースでした。シモン選手(リディア・シモン選手。シドニーオリンピックでは高橋尚子選手と金メダルを争った)と争うピリピリとした雰囲気の中、本当に『私は小猿、私は小石』と思っていたんですよ。秘伝のイメージ走法です」
《大日方航》

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