タスマニア州は、オーストラリア国内でもっとも南部に位置する唯一の島の州。夏になると、大陸内部から避暑を目的とした観光客が訪れる場所の一つとなっている。
最近は温暖化の影響を受け、タスマニアでも猛暑の夏になることもあるが、この夏は例年にないほどの比較的涼しい日々のようだ。特に筆者がキャンプで訪れた時は、日中でもジャケットがいるほどの涼しさ。森の中に入ると気温はさらに低くなり、まるで秋のようだった。
そのタスマニアでのキャンプについて話を進めよう。移動手段は、ほとんどが車で、旅のスタイルもキャンプが主となる。
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ヨットレースが行われた、ホバートのヨットハーバー
●交通機関が少ないタスマニアだが、車での夜間運転に要注意
州都ホバートと第二・第三の都市と言われているロンセストン・デボンポートを除いた場所では交通機関がほとんどなく、移動の多くが車。
また、隣町までも離れているため、旅行だけではなく日常生活でも車はなくてはならないものとなっている。筆者も島内の移動は車を利用。夜間の道は街から離れると街灯がほぼないため、日が沈んだ後の運転は要注意である。
夜間に走る車の灯りを求めて動物たちが飛び込んでくるケースも最近は特に増えてきているとのこと。絶滅の危機に瀕しているタスマニアデビルもその被害を受けている。毎年何千匹のタスマニアデビルが自動車事故に見舞われるそうだ。
●キャンピングに優しいタスマニア
小さな町のあちらこちらで見かけるのはキャンプサイトの看板。町と町の間には店もほとんどないが、町まで行けばひと安心。なぜなら、宿泊施設のほか、周辺にはスーパーマーケットやガソリンスタンドがあり、日常生活に必要なものが揃うからである。
キャラバンパークと呼ばれるキャンピングサイトには、キャンピングカーや普通車の停まれるスペースのほか、シャワーや合同キッチンが併設され、キャンプサイト利用者に限り使用可能。
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キャンプサイト
また、電気プラグが必要な場合は、キャンプサイト宿泊料の他に値段が少しプラスにはなるものの利用可能。モバイル系の充電もこれで安心である。キャンプサイトの利用料は、二人で一晩約30豪ドルくらいからとお手頃な値段。キャビン併設のサイトもあるので、乗用車などで車中での宿泊が難しい場合はこれらキッチン付きのキャビンを利用することも可能となっている。
●隣同士で仲良くキャンプする姿も
友達や家族でのキャンピング、また隣同士仲良くなってバーベキューをする光景も。年末年始とあり、グループで利用している家族もあり、隣同士子供を遊ばせながら親たちはビール片手に夕食の準備。日中はのんびりと読書をしている老夫婦の姿も印象的だった。
●ワーキングホリデーの若者たちの癒しの場所として
今回、利用したキャンプサイトはタスマニアの中でもファームに近いところ。季節的なこともあり(現在は夏の果物の収穫の最盛期)、ヨーロッパからワーキングホリデーで来ている若者が目立っていた。時折、聞こえてくる彼らの話すフランス語は自分がオーストラリアにいることを忘れさせるひと時だった。
年末年始をのんびりと過ごしている家族連れの姿が比較的目立ったが、ワーキングホリデーで働く若者たちの忙しそうな日々を垣間見たキャンプサイトでの休暇となった。