イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティなどを傘下に持つ、英国のシティ・フットボール・グループと2014年7月に提携を結んだ横浜FM。クラブ内では監督人事などシティの影響力が強く、強引な介入に選手は不信感を募らせていた。
今オフも求心力が低いエリク・モンバエルツ監督の続投、チームの性急とも思える若返りを押し進めており、提携時に不安視されたことが現実となった格好だ。
中村は移籍決断の理由を明言しなかったが、「2016シーズンに至ってはいろいろなことがありました」と思うところが多かったことを示唆。現在の横浜FMはサッカーをプレーする喜び、楽しみを感じられる場所ではないとした。
「スポーツ、サッカーの本質であるべきもの、例えば楽しさ、喜び、信頼、感謝などを持ちプレーすることが、自分は何よりも大切だと思っています。自分の魂であるサッカーと現役を退くその最後の瞬間まで、真摯に、そしてなによりも喜びと楽しさを持って向き合うため、懊悩煩悶の末、マリノスを離れる決断に至りました」
【中村俊輔選手 ジュビロ磐田へ完全移籍のお知らせ】
— 横浜F・マリノス【公式】 (@prompt_fmarinos) 2017年1月8日
横浜F・マリノス所属の中村俊輔選手が、2017シーズンよりジュビロ磐田へ完全移籍することが決まりましたので、コメントと併せてお知らせいたします。#fmarinos pic.twitter.com/D2XBRfyLP2
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チームの顔が移籍したことにファンからは、「いざ公式発表されるとツライ。榎哲、バンゾーもいなくなって来季どうなるの」「横浜はクラブを象徴するような選手と揉めること多いよなぁ」「マリノスは井原といい松田といい、クラブを代表するレジェンドとの別れ方が明らかにおかしいと思うわ」「思ってたよりフロントへの不信感が強かったんだな」「マリノスがゴール前でフリーキック取って俊輔がボールをセットする時のスタジアムの興奮はホントに格別でした。磐田でも頑張って下さい」などの声が寄せられている。
●横浜FMとシティの業務提携
前身の日産自動車サッカー部時代から天皇杯優勝など、日本屈指の名門クラブとして活動してきた横浜FMだが、財政面では厳しい状況が続いていた。2012年にJリーグ・クラブライセンス制度が始まると、3季連続の赤字によるペナルティが明文化された。
2013年度末時点で7億円近い債務超過があった横浜FMは、親会社の日産自動車から10億円の拠出を受けて危機を乗り切った。だが、クラブの経営や財政基盤の強化は急務であり、そのためシティと提携を結んだ。
シティとの提携にはプレミア式の経営手法に日本のファンから反発が出ると予想された一方、選手獲得や監督招へいでプラスに働くことも期待された。