日本最大級の自転車見本市「サイクルモードインターナショナル2016」。12回目を迎えた今回の注目点は、最新の自転車デジタルやウェアラブル端末が集結した「デジタルギアゾーン」が作られたことだ。
スポーツバイクに欠かすことができなくなったデジタル機材。一般的には走行速度を測るサイクルコンピュータが知られるが、サイクリングをさらに楽しく、そして効率的にする最新ギアが続々と登場している。自宅にいながらインターネット接続されたパソコンで世界中のサイクリングコースを疑似体験できるシステム。サイクリングに必要な情報がアイウエアを装着することで目視と確認ができるスパートアイウエアも展示されていた。
国産初のパワーメーターであるパイオニアの「ペダリングモニター」システムも新世代に進化した。従来のトレーニングやデータの目安となるパワー値計測機器とは根本的に異なることが特徴のアイテム。パワー値に反映されるトルクの大きさだけではなくロードバイクの推進力とならない「法線方向」の力までも計測する。これによりペダリングの際の踏力の方向、力の大きさをサイクルコンピュータで表示することを可能にした。これまではわからなかったライダー個別のペダリングがデータとして可視化されることになったのだ。
パワートレーニングを効果的に行うためのノウハウと、メニューに頭を悩ます多くのライダーのためにペダリングモニターシステムがスマートフォンと連携することでトレーニング理論の学習からメニューの作成、実行、解析をスムーズに行える「トレーニングアシスト機能」も搭載された。
サイクルモードのブースでは多様なクランクに対応する新センサーの体験のほか、自転車プロコーチによるペダリングセミナーが開催され、モニターを使用してペダリングとフォームやポジションの関係を解説していた。
価格は心臓部となるセンサーが12万9600円(クランクは付属せず)。サイクルコンピュータは別売りで2万9800円。どちらも税別なので一式そろえると15万円以上になるが、多くのライダーがペダリングモニターを活用することでより速く、より強くなるための科学的トレーニングを可能にしたのである。
《山口和幸》
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