体操金メダリストのギャビー・ダグラス、リオオリンピックで連覇を目指す | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

体操金メダリストのギャビー・ダグラス、リオオリンピックで連覇を目指す

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体操選手のギャビー・ダグラス、リオデジャネイロ五輪で連続金メダルを目指す
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ナイキは、ロンドン五輪で体操団体・個人総合の金メダルを獲得したギャビー・ダグラスの復帰までのストーリーを公開した。

アメリカでは毎年300万人以上の6~17歳の少女達が体操のクラスに参加し、表彰台の頂上に立つことを夢見ているが、その80%が18歳になる頃に体操を辞めてしまう。ダグラスはその年齢に達したが、再びマットに復帰する準備をしている。

彼女は午前8時の練習開始に間に合うようにジムに到着すると、ストレッチをする。その後、コンディショニングを行い、昼食を取って休憩。午後2時にはマットに戻り、帰宅する前までに平均台と段違い平行棒、または平均台とゆかの2種目を集中して練習する。彼女は「毎週6時間の練習日を3日間、4時間の練習日を3日間、休養日1日」というこのルーティンを2年間繰り返してきた。

ダグラスは、2002年のバージニアビーチで初めてその名前を残した。彼女は「私は、体操を6歳位の時に始めました。初めてのクラスに行って、とにかくジムが大好きになった」と話す。ダグラスは正式なトレーニングを始めてから2年後、州立選手権でレベル4の個人総合優勝を達成。その後も好成績を収め続けたが、同時に自己不信にも陥っていた。

彼女の母親は、「ギャビーは大会に優勝はするのですが、自分の能力に自信を持っていませんでした。私は彼女が素晴らしい選手であることと、自分の力を信じれば表彰台の1番上に登れることを言い聞かせました」と語っている。

ダグラスの葛藤は2008年北京大会観戦時に頂点に達し、家族会議が行われた。大会出場選手のような演技をする能力はないとダグラスは否定したが、家族会議の結果、テレビで観たコーチに教えてもらえたら同じレベルで戦えるかもしれないと彼女は認めた。

母親がテレビで観たコーチに連絡を取り、ダグラスはそのコーチのもとでトレーニングを受ける事になった。そして2012年の全国予選で首位となり、代表チーム選出を確実なものとする。それは、自分の能力に対する不安と戦ってきたダグラスにとっての転機となった。

ダグラスは、ロンドン五輪にアメリカ代表チームの一員として出場。団体と個人総合で金メダルを受賞し、アフリカ系アメリカ人としては初の個人総合優勝者となった。彼女の母親は、「私たちは精神的にも金銭的にもすべてを犠牲にしました。辛くて厳しく、残酷な時間を強いられたけれども、それだけの価値が充分にありました」と語る。

ダグラスはメディアで大々的に取り上げられ、誰もが知る有名人になった。パーティーへの参加や数多くのテレビ出演を重ねた後、彼女に関する本を2冊出版する契約を締結。さらに、彼女の人生を伝える長編映画が制作されたり、シリアルの箱や雑誌の表紙を飾った。その9カ月後、当時17歳だったダグラスは、「体操人生はまだ終わっていない」ということに気づいた。

そして、体操への復帰を発表。世間には批判的な見方をする者もいれば、代表チームの平均年齢が16歳の体操を再開するには年を取り過ぎているのではないかと疑問視するものもいた。しかし、彼女はカリフォルニアから中西部に戻り、新しいジムで新しいコーチとともに練習を再開した。

厳しいメニューをこなしたダグラスは、宙返りが簡単に行え、体操全般を軽やかに力を抜いて行えるようになったと話す。「精神的にかなり強くなりました」という彼女の自己不信は、意欲を掻き立てる焦燥感へと形を変えた。

2015年3月、ダグラスは復帰発表後初の大会で4位になり、2015年世界体操競技選手権の個人総合で銀メダルを獲得。2016年3月、主要な国際大会で個人総合金メダルを獲得した彼女は1980年以来、個人総合優勝者として五輪に2度目の出場をする選手となり、アメリカ人個人総合金メダリスト4人のうち2度出場する初の選手となった。

ダグラスは、金メダルをもう1度獲得することが目標だと言う。1968年以来女子選手としては初の個人総合連続優勝、それもアメリカ人体操選手としては史上初の達成を目指す。

そんな彼女は金メダルを目指す少女たちに、「途中で少し大変になる時もあるかもしれないけど、後悔しないよう常に力を出して戦い続けて。後から思い返して、もう少しやれば良かったと言わなくていいよう、全力を尽くした。100%の力を出した。さあ、次を目指そうと言えるように一所懸命練習をして」とアドバイスを送った。
《美坂柚木》

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