棒高跳び選手ルノー・ラビレニ、誰よりも高く飛べる理由 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

棒高跳び選手ルノー・ラビレニ、誰よりも高く飛べる理由

スポーツ 選手
棒高跳び選手ルノー・ラビレニ、誰よりも高く飛べる理由
  • 棒高跳び選手ルノー・ラビレニ、誰よりも高く飛べる理由
  • 棒高跳び選手ルノー・ラビレニ、誰よりも高く飛べる理由
  • 棒高跳び選手ルノー・ラビレニ、誰よりも高く飛べる理由
ナイキは、フランスの棒高跳び選手であるルノー・ラビレニが誰よりも高く飛べる理由を公開した。ラビレニは2014年に6m16cmを飛び、それまで21年破られることがなかった世界記録を更新した。

そんな彼は、走ることで飛ぶ。助走の最後5m、全力で走ってエネルギーを高めるのだ。2014年に世界記録を樹立した時、彼のスピードはロードランナーのトップスピードに近い時速19マイル(約30km)にもなっていた。

もちろん早く走るだけでは飛べない。完璧なタイミングでポールをボックスに落とし、ストレスをかけずに操作する必要がある。そのために歩幅を理解し、ポールがボックスに入って動きを止める瞬間、最後の一歩が自分の上側の手の真下に着地しなければならない。ラビレニは身長176cmと他の選手と比べてもかなり小柄だ。しかし、それを補うスピードと一貫性、技術によって誰よりも高く飛ぶ。

米国の陸上代表チーム顧問も務めるニューヨーク州立大学コートランド校でキネシオロジーの教授を務めるピーター・マギニス氏によると、ほとんどの選手の飛び出す時の角度が18度であるのに対し、ラビレニはもっと浅い角度で飛び出しているという。さらに、彼は他の選手よりも速い速度で地面を離れている。

最後の2ステップの割合は均等で、ほぼまっすぐに進んで飛び上がる。そして彼は、体をポールの後ろにより長い時間保つ。マギニス教授は、「これは彼が地面を離れる時に他の選手よりも多くの運動エネルギーを蓄え、それをうまく使っていることを意味する」と説明。

ラビレニが使用するグラスファイバー製のポールは、一番大きなストレスがかかる中央の部分が少しだけ太くなっている。彼は小柄だが、跳躍の時には他の選手よりもポールを多くしならせるという。ポールが着地すると下側の手でポールに力をかけ、体を空中に持ち上げて上側の手で体をスイングさせる。その時に、ポールがバネのようにしなるのだ。

ポールがまっすぐな状態に戻ろうとする時、彼の体はポールの力で高く引き上げられ、逆立ちするかのように身体を逆さまにする。足がバーを超えたほんの数ミリ秒後に、彼は体をしならせていく。胴体がバーを越える時も、体の多くの部分はバーの下に残っている。

これは彼のテクニックで体をバーの近くまで持っていけば、バーの上に体がなくても飛び越えられることになる。地上6mを超える場所で彼は最高のパフォーマンスを見せ、体がバーに触れないように動きをコントロールしながらバーを超えていくのだ。
《美坂柚木》

編集部おすすめの記事

page top