だが、大迫が強調するのは環境よりも自身の意識の重要性だ。自身のブログでも次のように心情を吐露している。
「勘違いしてはいけないのは、アメリカで練習したから・アメリカに住んでいるから強くなる訳では決してありません。目的と手段は全くの別物なのです。結局どこにいても、その環境で自分が何を目指し、何を選択するかが一番大事なのではないか。そういう事を強く感じた一年でした」
海外で特殊なトレーニングを積んだから強くなれたのだろうか。アメリカと日本の練習の違いは何か。そういった質問はきっと数え切れないほど大迫に投げかけられただろう。
だが、あくまでも日本にいる時と心情は変わっていないし、練習メニューも大きくは変わらないと大迫は明かす。
違いは「どこを最終目標にして取り組んでいるか」だという。最終目標にどこを見据えるかで、同じ練習メニューでも自ずと質は変化する。
大迫傑選手 画像提供:ナイキ ジャパン
毎日、1日1日を大切に過ごすこと。日本にいた時からその気持ちは変わらない。志の高い仲間と切磋琢磨しながら、少しずつ力を蓄えている。
「環境も変化して、年々少しずつ自分の能力が上がってきたのだと思う。その時々成長するってことを意識してきました。毎日の積み重ねが現れたのかな」
リオデジャネイロ五輪にはどういった想いでいるのか。
「やるべきことは明確です。オリンピックを意識するというよりは、今までどおり、課題を一つひとつクリアしていくことが大事。もちろんオリンピックが今季の最終目標であることに変わりはないが、今までとやることは変わらない」
「淡々と、同じことをするだけ。大会の大きさを意識せず。もちろん大きい大会で、自分の今後を左右するとは思うが、今までどおり冷静にいくだけ。気負いはないと言ったら嘘になるが、それとうまく付き合うこと」
大迫は「やることは変わらない」「今まで通り」と、普段の練習に対する確かな自負をのぞかせた。