優勝から2日後の7日、室屋は改めてメディアの前で質問に答えた。
●室屋義秀、涙のワケ…0.1秒を左右した2つの要素
---:今回の室屋選手の優勝で、同世代男性は勇気をもらったと思います。一般のサラリーマンに向けて目標に近づくために、夢を叶えるためには何をすればいいか、アドバイスをお願いします。
室屋義秀選手(以下、敬称略):僕は就職したことがないので(サラリーマンに向けて)アドバイスはできないですが、自分のしたいことを長く続けてきました。ただひとつ、これをするために生きている。それ以上でもそれ以下でもない。逆に勤めたりすることは、僕は不適合ですから。それぞれの分野で、それぞれが頑張っているのだと思います。
---:物事を続けるためにどうすればですか?
室屋:好きだから、長くやっている。長くやればある程度誰でもうまくなるはず。ただ、飽きずに続けるというのは意外と難しいことです、飽きちゃいますから。それを乗り越え、続けることができると、そのうち成果が出るはずです。
思い続ければ夢は叶うということが正しいかはわかりませんが、経験的に6~7割は叶ってきたように思えます。
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---:メンタルの部分はどのようなトレーニングをしているのか。一般の人にも応用が利くのでしょうか?
室屋:福島大学の方にメンタルコーチをしていただいています。サッカーの岡田(武史)監督のコーチもしていたような方で、近所にいたのでたまたま教えてくれたといった感じです。自分を知るということから始めて、自分自身がどの程度の力なのかを把握します。
それを積み重ねるというか…訓練のようなものです。例えば、腕立て伏せで最初は10回しかできなかったとしても、毎日やるとそのうち100回できるようになる。力を発揮したい前日に腕立て伏せをたくさんやっても、筋肉痛になるだけです。とにかく準備をすることですね。
---:室屋選手の強みはなんだと思いますか?
室屋:しつこいことですかね。ひたすらやるのが平気。
---:同じことを続けるのは苦手な選手もいるのですか?
室屋:チャンピオンシップに出場しているような選手の中にはいないですね。ほぼ変わらない。
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---:その中でわずかな差をつけるものは?
室屋:やはり、ファンの声は大きいと思います。最後に効く。フェスティバルになると乱数が変わったりなど、そういった実験もあるそうです。世の中には科学では証明できないものいっぱいありますから。
---:今回の優勝は、日本の航空文化普及にどういった影響を与えていくでしょうか?
室屋:(エアレースに)興味を持ってくれる人が多くなるのでは。ただ、エアレースパイロットになりたいと思っても、(レッドブル・エアレースに用意された飛行機の)イスは14個しかないので…。福島県でスカイスポーツを普及するための子ども教室を開いているのですが、そこではパラグライダーで空の世界をまずは経験してもらうことからスタートしています。
興味を持ってもらって、その子どもたちが将来社会人になった時に航空文化が少しずつ根付いていくのではないかと期待しています。福島県だけでも20万人の小学生がいるので、大きな影響力を持つと思います。
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室屋選手は福島市に在住し、飛行場「ふくしまスカイパーク」を拠点にして訓練している。地元福島の人々に向かっても、感謝の気持ちを示していた。
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