ならば体力を維持するため、さらなる節制に努める…これが王道中の王道、正解中の正解であることは当然なんですが、今はまだしもこれからもっと歳を重ねたとき、思うように体が動かなくなるのは自明の理です。
■ヤマハが電動アシスト付きロードバイクを発表
いざサイクリングに出掛けても、昔は気持ちよく上れた坂がつらくてしょうがない、仲間についていけない…となったときにあっさり自転車を降りるのか。いや、この手があると気づかせてくれたのが、ヤマハが発表した電動アシスト付きのロードバイク「YPJ-R」です。
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心臓部となるドライブユニットはチェーンホイールに隠れるほどの大きさ
週末に幕張メッセで催されたサイクルモードに出向いたとき、会場の一画を占めるブースを訪ねました。展示されていたのは3台。サイズはXS(適応身長153cm~)とM(同162cm~)の2種で、色は3色(トリコロール、ブラック×グレー、ブラック×ブルー)。ブラック×ブルーはXSのみ、ブラック×グレーはMのみとなります。
説明を受けたあと、試乗コースでさっそく乗ってみました。ペダルをこぎ始めると、アシストされていることを実感。といってもそれは不自然なものではなく、風に押されているかな?という程度です。高い負荷が掛かるときに機能が働くということで、それがスムーズな加速や意図せぬ減速の回避、さらに車体を安定させことにも結びついています。
■車重もハンデにならない
「アシストのオン・オフを切り替えて、その違いを体感してほしい」とのことでしたから、こちらも試してみました。結果、アシストをオフにしても車重(15.2kg/XS、15.4kg/M)がハンデとなることはなく、普通に走行できました。この辺の評価は難しいところで、「だったらアシストなんていらないのでは…」との声も聞こえてきます。
ただし、これはほぼ平坦な試乗コース限定のもの。上りが続くところでは、アシストのありがたみを実感することでしょう。
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付属の液晶ディスプレイは大型で、多機能ながら表示は見やすい
シマノ・105をメインとするコンポーネントの中でクランクセットにはFSAのコンパクトクランク(50×34)が採用され、ノーマルクランク(52or53×39)の用意はありません。また、ホイールのリム高は標準的なもので、平地を高速巡航するときなど物足りないかもしれません。いずれも簡単に交換できればいいのですが、聞けば「電動アシスト自転車は型式認定が厳しく、基本的に購入したままの状態で乗って欲しい」とのこと。
また、ホイールは後輪のハブ内部にスピードセンサーが内蔵された独自のもので、「市販のホイールに交換すればそれでよし」というわけにはいかないと教えられました。とはいえホイールの脱着それ自体は、ハブからのびるケーブルのコネクタを外す手間が増えるだけですから、重いことに目をつぶれば輪行も可能です(大容量のリチウムイオン電池を使用しているため、航空機は不可)。
■ペダリングパワーも計測可能
先ほどは体力の衰えを補うものとして存在意義を語りましたが、実はこのモデル、健康増進や体力維持にも役立ちます。というのも付属の液晶ディスプレイには速度や距離のみならず、ペダル回転数やペダリングパワー、消費カロリーまで表示されるからです。
ペダリングパワーなど単体の計測機器だと10万円前後するものが、もちろん同等とはいえないでしょうが初めから付いているのです。残念ながら外部機器にデータを取り込むことはできないものの、USBポート自体は備えていますから、いずれ対応するのではと、密かに期待しています。