■最年少キャプテン、期待と重圧
ヴェルディのユースから2011年シーズンにトップチームへ昇格。翌年には背番号「10」を背負い、クラブ史上最年少の19歳でキャプテンに就任した軌跡が、小林に託された期待の大きさを物語る。
才能だけでなく、物怖じしない言動でも小林は注目を集めた。直接フリーキック役を半ば強引に担った、ルーキーイヤーのある試合後にはこう言い放った。
「止まっているボールを一人で蹴ることができるのだから、自信のあるヤツが蹴ればいい。フリーキックは流れを引き寄せるための絶好の武器。いままでは遠慮がちだったけど、練習でも決めていたので自信はあった。絶対にやってやろうと思っていた」
自らの活躍で勝った試合後には、こんな言葉を残したこともある。
「まだまだ子どものサッカーから抜け出せていない。もっと試合の流れや状況を読んで、スピードアップやダウンなどの変化をつけないと。ひとつひとつのプレーに一喜一憂するのは三流がすること。ひとつ上の二流に到達するためには、90分間を通してメンタルも安定させないといけない」
いつかはオレの時代が来ると信じて疑わなかった日々。しかし、背番号「10」の重みとキャプテンの肩書が次第にプレッシャーと化し、小林のプレーに影を落とす。
【次ページ 環境変化】
《藤江直人》
page top