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【豪雨災害】宮城・渋井川堤防が14日までに緊急復旧完了

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ポンプ車による排水作業の様子
  • ポンプ車による排水作業の様子
  • 堤防復旧作業は「搬入路が狭く土砂を運び入れるのに最も苦労した」という
 11日の集中豪雨で堤防が決壊し住宅や田畑などに浸水・冠水の被害が生じた渋井川(宮城県大崎市)の周辺で、堤防の緊急復旧作業が14日までに完了した。盛り土を速やかに修復し住民の安全を確保する必要があることから、川を管理する宮城県に代わり、東北地方整備局が工事を担当。12日に堤防復旧を、13日に7台のポンプ車による排水作業をそれぞれ開始し、中部地方整備局や北陸地方整備局から派遣された緊急災害対策派遣隊(テックフォース)の支援を受けながら24時間体制で作業を進めた。崩れた堤防は、14日までに元の高さに戻った。

 11日の豪雨で、渋井川は上流と中、下流の3カ所の堤防が決壊し、周辺の田畑や住宅が冠水するなどの被害を受けた。堤防の復旧は、宮城県から支援の要請を受けた東北整備局が担当。盛り土などの実作業は同局が宮城県建設業協会を通じて丸か建設に依頼した。

 周囲に多く水が残る12日の朝10時に、三つの工区で堤防の復旧作業に着手した。復旧延長は、1工区が20メートル、2工区が17メートル、3工区が40メートル。丸か建設は総勢30人の作業員を現地に派遣し、14日夕方までの約2日半で、決壊箇所を3メートルの高さに修復した。

 現地で復旧に当たっていた丸か建設の担当者によると、工事を進める上で「搬入路が大変細いため、土砂を運び入れるのに最も苦労した」という。工事そのものにはスピードが求められたものの、技術的に難しい内容ではなかったという。堤防を元の高さに戻した後、再び同じ被害が出ないよう堤防を固める作業を行った。

 14日午後に、堤防の内側(川側)に袋詰めの根固めを施すとともに、コンクリートで覆う作業に着手した。根固めは16日をめどに完了する予定という。同局や他の機関、施工者らの迅速な対応が実を結び、決壊した3カ所の堤防を戻す作業は当初の予定よりも12時間早く完了したという。その分、前倒しで排水作業に着手でき、14日午前11時に現地を訪れた時点で水はほとんど引いていた。

 排水作業は、テックフォースとして現地に駆けつけた中部整備局や北陸整備局、東北農政局などの支援を受け、渋井川に近い水路など3カ所で行われた。中部整備局豊橋河川事務所の担当者は、12日の朝9時に愛知県内の事務所を出発し、その日の夜7時前後に大崎市内にある北上川下流河川事務所の鹿島台出張所に到着した。当日夜に作業工程などの打ち合わせを済ませ、翌13日の午前に現地調査を実施、午後から排水作業を開始した。

 渋井川周辺では、1分当たり20~40立方メートル程度を排水する能力を持つ7台のポンプ車をフル稼働した。14日正午の時点で、ポンプで水を勢いよく吸い上げる作業が続けられていた。渋井川の3カ所でなぜ堤防が決壊したのか、現段階では分かっていない。宮城県が専門家の意見などを聞きながら詳しい原因を調査している。

豪雨災害、宮城・渋井川堤防が14日までに緊急復旧完了

《日刊建設工業新聞》

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