【澤田裕のさいくるくるりん】自転車関連のイベントを選び…ヒントになるいくつかのこと | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【澤田裕のさいくるくるりん】自転車関連のイベントを選び…ヒントになるいくつかのこと

オピニオン コラム
グルっとまるごと栄村では、地元の人の協力は欠かせない
  • グルっとまるごと栄村では、地元の人の協力は欠かせない
  • 2002年に催された日本初のブルベ。このときは有人のチェックポイントが設けられた
  • 渡された地図に目を通し、立ち寄り場所の回り方を検討する
  • 野田周遊サイクル・オリエンテーリングの立ち寄り場所とされた石仏。難易度はかなり高い
  • 栄村でのイベントで、立ち寄り場所とされたユニークな消火栓
  • その土地ならではのポイントも立ち寄り場所に。栄村に日本最高積雪地点があることを、このイベントで知った
  • 道の駅などが立ち寄り場所になれば、そこで飲食する人もいる
暑さが峠を越した9月となり、自転車関連のイベントがグッと数を増しました。次の日曜となる9月13日も、約20のイベントが全国各地で催されることになっています。数あるイベントの中から何を選べばいいのか、そのヒントを2回にわたって取り上げてみましょう。

公道を使用するサイクルイベントの多くは、管轄する警察署や道路管理者から使用許可を得ています(レースの場合は道路封鎖の許可も)。ただ、これが思いのほか大変で、申請に手間かかるのはもちろん、当日はルートの要所に案内看板やスタッフを置くことを求められたりもします。

そうすると経費が増大し、それが参加費を押し上げることにもなります。逆に言えば使用許可や道路封鎖と無縁なイベントであれば案内看板もスタッフも必要としないわけで、そのぶん参加費を安く抑えることもできます。

■ブルベ

そうしたイベントの代表格がブルベです。主催者が設定したルートを、規定時間以内に完走したことを認定するこのイベントは、スタート&ゴール以外のチェックポイントに人を配置することはまれで、指定の店で受け取ったレシートによって確かに通ったものと見なされます。

参加者はスタート前に手渡される地図に従って走るだけですから、ルート上に案内看板はありません。また、走行途中のトラブルや体調悪化で棄権を余儀なくされたときも、公共交通機関を利用するなどして自力で戻るほかはありません。要は個人で出かけるサイクリングとなんら変わらず、異なるのは同じ日に同じルートを走る仲間がいて、走った結果が公式に認められるというだけです。

■サイクルロゲイニング

サイクルロゲイニング(移動に自転車を利用するオリエンテーションのことで、最近はこう呼ばれています)も同様。こちらは決められた場所を制限時間内にどれだけ回れるかを競うもので、離れた場所にある場所や見つけにくい場所には高いポイントが与えられます。

場所の巡り方は各自の自由。参加者は主催者から受け取った地図に目を凝らし、どの道を選べば効率よく回れるか、どの場所に絞れば規定時間内に回ってこれるかの検討に頭を悩ませることになります。対する主催者は参加者が出発したら、あとは戻ってくるのを待つだけ。走るルートが決まっていないから当然のことです。

ただしサイクルロゲイニングのような道路使用許可を得なくていいイベントでも、事前に管轄の警察署や消防署に知らせ、開会式などの場であいさつをしてもらっています…これは千葉県野田市や長野県栄村で、イベントの運営に関わっているサイクルショップ「輪工房」の店長、田口信博さんの言葉です。というのもイベントに関わりのある事故が起きた場合、やはり警察や消防署に出動してもらわなくてはならないからです。田口さんは万が一の事態を見越し、細心の注意を払っています。

■魅力ある土地を安全に走ってもらう

ところで、沿道に案内看板やスタッフを置くイベントもそうではないイベントも、ルートそのものの魅力に違いがあるわけではありません。むしろサポートに手をかけられないイベントこそ、走りがいのある道を安全に走ってもらうため、ルート選定に力を注いでいるといえましょう。

ルートの定めのないサイクルロゲイニングも、土地のよさが伝わるように立ち寄る場所を厳選。逆に走るのに適さない道やエリアは、そこに立ち入らないよう走行前に注意を呼びかけたりします。放任しているように見えて、肝心なところはしっかり押さえているわけですね。

次回は田口さんからうかがった話を頼りに、主催者側の視点を交えてイベントの選び方を考えてみましょう。
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