【澤田裕のさいくるくるりん】自転車旅行の計画…九州旅行を題材に語る | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【澤田裕のさいくるくるりん】自転車旅行の計画…九州旅行を題材に語る

オピニオン コラム
貸しボートから眺める高千穂峡の真名井の滝(写真提供)高千穂町観光協会
  • 貸しボートから眺める高千穂峡の真名井の滝(写真提供)高千穂町観光協会
  • 1900年前に創建。高千穂郷八十八社の総社で、本殿と鉄造狛犬は国の重要文化財に指定(写真提供)高千穂町観光協会
  • 阿蘇五岳を一望できる大観峰(写真提供)阿蘇温泉観光旅館協同組合
  • 県道111号(阿蘇パノラマライン)からの雄大な風景(写真提供)阿蘇温泉観光旅館協同組合
  • 湯けむりに包まれる温泉街。ここに2泊する予定(写真提供)杖立温泉観光協会
  • 背戸屋(せどや)と呼ばれる狭い路地。地元ガイドによる案内が楽しみだ(写真提供)杖立温泉観光協会
前回のコラムに記したとおり、シルバーウィークは5泊6日の予定で九州を巡ります。この旅行を題材に、僕がどのように自転車旅行の計画を立てているかを紹介しましょう。

目的地が九州ということで、アプローチには航空機を利用します。時間のゆとりがありますから船も考慮したのですが、現在、首都圏と九州を結ぶ定期航路はオーシャン東九フェリーの東京~徳島~北九州しかありません。しかも所要時間はなんと34時間。さすがに気持ちがなえました。ちなみに船の運賃は1万4880円~で、自転車は輪行なら無料、完成車だと3160円かかります。

で、気になる航空機の運賃は、なんと1万3590円。船より安いんですね(東京~宮崎。帰りの熊本~東京は2万790円)。その理由は75日前まで予約可能という、日本航空のウルトラ先得を利用したからです。購入後の予約変更は不可で、取消手数料は運賃の50%相当額という縛りはあるものの、この価格は魅力です。観光客の増す連休は料金が上がるのが通例。したがってこのプランのように、それに影響されないものを探すといいでしょう。


阿蘇五岳を一望できる大観峰

宮崎空港に降り立ったら、そのままJR宮崎空港線の駅へ。ここは地方空港には珍しく、鉄道が乗り入れているので便利です。1時間強の所要で南日向駅に着いたら、そこで自転車を組み立てて北上を始めます。国道10号なら最短距離となりますが、急ぐ旅ではありません。日向岬などに立ち寄りつつ、延岡市街で一泊します。

翌日は五ヶ瀬川に沿って高千穂峡を目指します。この区間は2005年まで高千穂鉄道が運行していましたが、台風によって甚大な被害を受けて全線休止。そのまま廃止されました。今は高千穂駅からの一部区間で、観光列車スーパーカートを運行。現地を訪れたら乗ってみようと思います。国の名勝・天然記念物にもなっている高千穂峡では、貸しボートから眺める真名井の滝に期待が膨らみます。


湯けむりに包まれる温泉街。ここに2泊する予定

3日目は高千穂から阿蘇内牧温泉まで。途中で阿蘇の外輪山、さらに内輪山を上るハードな行程ですから、体調を考えてショートカットすることも想定しています、といいましょうか。スタートの宮崎空港から高千穂の先の高森までは、鉄道と路線バスを乗り継いでの移動もあり。骨折した右腕の回復が思わしくない場合は、自転車をあきらめて公共交通機関に頼ろうとの魂胆です。

雑誌の記事で、ふと目にした杖立温泉に向かう4日目は、「ラピュタの道」とも呼ばれる絶景ルートを上って外輪山の尾根道へ。瀬の本高原からは日田往還、旧小国街道をたどります。杖立温泉は印象に残る温泉に挙げた秋田の澄川温泉と同様、湯治場として栄えた歴史を有し、噴出する蒸気を利用して加熱調理する"むし場"も備えています。療養も兼ねて連泊する予定ですから、地元ガイドが案内する「みちくさ案内」にも参加して、土地の魅力を心ゆくまで味わおうと思います。


背戸屋(せどや)と呼ばれる狭い路地

最終日は熊本空港まで一路南下。航空機の搭乗時刻が決まってますから、日田街道をメインに幹線道路を淡々と走ることになりそうです。そうはいっても途中には大分・熊本県境の兵戸峠もあり、大変ながらも走りがいのある道になりそうです。

今回の自転車旅行の走行距離は309.4km。連泊する1日を除いて、1日平均61.9kmとなります。ちょっと走り慣れた人には物足りないくらいでしょうが、行く先々での観光を考えると、これでも長いかもしれません。まあ、そのときは前述したようにショートカットをしたり公共交通機関を頼ったりすればいいわけです。計画に固執せず臨機応変に対応する、これが自転車旅行を楽しむ秘訣といえましょう。
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