世界陸上北京大会は8月26日、男子やり投げ決勝を行った。優勝はケニアのジュリアス・イエゴ。日本の新井涼平は83メートル07で9位に終わり、上位8名だけが進める4投目以降には進出できなかった。
今大会の男子やり投げは非常にハイレベルな争いとなった。6月のダイヤモンドリーグで91メートル39を投げ、世界歴代9位の記録を出したイエゴは、2投目まで当落線上の8位だった。だが3投目に渾身のスローを見せ、世界歴代3位の記録となる92メートル72で一気にトップへ躍り出た。
銀メダルのアブデラマン・エルサイードも、シーズンベストを更新する88メートル99を投げ、銅メダルのテロ・ピトカマキも87メートル64を投げた。
溝口和洋の日本記録(87メートル60)を抜いて、ようやくメダルに手が届くかどうかという争いだった。
上位陣の好記録ラッシュに、「83m投げてもトップ8に残れないやり投げ」「やり投げでケニア初のメダルとかすごいなぁ。しかも92mもとんでるし」「イエゴの90mスローには鳥肌がたったわ!あんな投げを1度してみたいと思う」「このレベルの高さが今大会だけならものすごい不運だったけど、リオでも同じ水準になるなら、本当に日本記録を出さないと勝負にはならなそうだね」など、世界の壁は高いと感じた声が多い。
中長距離種目で世界を席巻するケニアだが、フィールド種目はあまり盛んではない。やり投げ選手としてロンドン五輪で12位に入ったイエゴは試合後に、「やり投げがやりたくて、YouTubeを見てトレーニングした」と話し、英国メディアからYouTubeマンと呼ばれた。
《岩藤健》
page top