【世界陸上2015】大会直前にドーピング問題噴出、国際陸上競技連盟の対応は | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【世界陸上2015】大会直前にドーピング問題噴出、国際陸上競技連盟の対応は

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8月22日から始まる世界陸上北京を前に、国際陸上競技連盟(IAAF)は難しい対応を迫られている。

先日イギリス紙『サンデー・タイムズ』に「4年前の世界陸上では多くの選手が薬物規定違反を犯していたのに、国際陸連が発表させなかった」との記事が掲載された。

IAAFは「以前も取り上げられ、すでに対応済みの話題。新技術の信用性を見るためのテストだった」と説明しているが、納得した人間は少ない。

17日にはロンドン五輪女子1500メートル金メダリストのアスリ・カキルアルプテキンが、ドーピングによる金メダルの剥奪と8年間の出場資格停止処分に合意した。

今や世界のメディアやファンはトラックの中より、外で起こっている騒動のほうに注目している。ドイツのドキュメンタリー映像作家ハヨ・ツェッペルト氏は、「IAAFがリスペクトを失いつつある」と指摘する。

「我々はIAAFにインタビューを申し込んだが、多くの質問に答えてもらえなかった。電話にすら応答してくれない人たちもいた。悪い印象を与えるだけで、国際機関としての透明性にも欠ける。スポンサーやポジティブなイメージが必要なのに、そのすべてを失いかけている」

ツェッペルト氏は以前、ロシアの陸上競技界に蔓延するドーピング問題を取り上げた。だが今や問題は他の競技、多くのスポーツにも及ぶと言う。

「もはや多くのプロスポーツを真剣に受け止められなくなったと思う。陸上だけに限ったことではないし、陸上にとっては目新しい問題でもない。新しいことがあるとしたら、ようやくドーピングについて議論し始めたことだ。何が起きているか聞かなければ分からないし、透明性の欠如は信頼問題へつながる。結局メディアや告発者のおかげで誰も知りえないことが明るみに出る。それが現在の陸上競技であり、その前は自転車競技がそうだった。そして今後はまた別のスポーツが同じ問題を抱えることになるだろう」

《岩藤健》

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