【小さな山旅】高山の入口…日光男体山(1) | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【小さな山旅】高山の入口…日光男体山(1)

オピニオン コラム
日光男体山の登山道。林の中を歩く道。
  • 日光男体山の登山道。林の中を歩く道。
  • 早朝5:00ごろの中禅寺湖の風景。
  • 二荒山神社に車を停めて、5:30に登山スタート。
  • 1号目。
  • 日光男体山の登りは、登りっぱなし。4号目以降は特にキツくなる。
  • サルに遭遇。人を見ても逃げない。
  • 5:50。3号目到着。ふと、後ろを振り返ると中禅寺湖が。
  • 4号目まではアスファルトの道がしばらく続く。この辺は傾らか。
高山。それは、筆者にとって未知の領域である。

これまで登った標高1000m以上の山といえば、茨城県の最高峰・八溝山の1021m、屋久島の太鼓岩の1050m、同じく屋久島の縄文杉付近(1300mくらい。これは山ではないけど)。昨年登った山梨県の三ッ峠山は1765m、栃木県の三本槍岳は1917mであった。

しかし、ちょっと待て。いったい、標高何mまでが"低山"で、標高何mから"高山"なのか?

「日本百名山」で知られる深田久弥氏は、1500mを低山の基準にしたという。では、1500mを越える山は高山かと思いきや、低山・高山の他に、中山や中低山という分類をしている人もいる。とある山屋さんに聞くと、2500mからが高山だと言うし、いったいどの情報が本当なのかわからない。

真実を突き止めるために、広辞苑を引くことにした。広辞苑によると、高山の定義は、「高い山」とある。いや、それはわかってる、と思う。続いて「植生帯では森林限界より高く、高山帯のある山」とある。標高に関する記述はない。

今まで散々標高1000m未満の山ばかり登ってきた筆者の感覚でいうと、1500mを越えると高山的な感じがする。2000m近い三本槍岳などは、低山では決して見られない風景が広がっていた。

標高何mから高山なのかはイマイチはっきりとはしないが、今回登った日光男体山は、標高2486m。1500mや2000mが高山と低山の境だとすると思い切り高山の部類に入るが、2500mを境とすると惜しくも高山の部類から外れてしまう。だが、低山ではないだろうという高さだ。

何とも分類しにくい高さであるが、高山の仕分けがどのようなものであれ、日光男体山は「高山の入口」と呼ぶのに適した高さであるし、文句なしで我が人生最高峰の山であることに間違いはない。

低山ハイカーである筆者が、何故このような高い山に登る決意をしたのか。それは、この夏のうだるような暑さのせいに他ならない。35度を軽く超えてしまうような暑さの中で、茨城県の低山を歩くのは少々どころか相当にしんどい。やはり、このような夏の暑さの中で山に登るとすれば、涼しげな標高の高い山であろう。

…と思って挑んだ日光男体山であったが、夏の暑さをしのぐどころか、キツい登りで平地にいる時の何倍もの汗をかき、一緒に登ったK嬢には遥か先を歩かれ半ば置いてきぼりな状態で、登山中に筋肉痛を起こし、翌日の仕事では足を引きずって歩く羽目になり、職場の方に大変なご迷惑をかけてしまったことは、ここだけの話である。
《久米成佳》

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