サブタイトルにもあるように、本書は読み手自身がどのように走ればいいかだけでなく、それを子どもにどう伝えればいいのかまで守備範囲としています。どのように走ればいいかも車道の左側という原則を伝えつつ、歩道なら車道寄りをゆっくりという逃げ道を用意。ハードルを上げないように…との配慮が感じられます。そして、「車道を走ろう!」と決意(?)したお母さん(あるいはお父さん)のためには、車道走行時に遭遇しがちなケース(駐停車したクルマの追い越しなど)への対処法を教えてくれます。
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子どもへの教え方に関して、専門家の指導を仰いでいる
さらに子どもへの教え方。僕自身に子どもがいないこともあり、そこに書かれていることは目からウロコです。まず、なるほどと思ったのが、小さな子どもに「右」や「左」と言っても伝わらないということ。本書によると前後は3、4歳でわかるようになるものの、左右は5歳台になってやっとわかってくるそうで、しかも個人差があります。
だから言葉だけでなく、態度で示す必要も。世のお母さんやお父さん、そして幼稚園や保育園の先生や保育士さんは、そんな子どもを相手にしているわけですから頭が下がります。ちなみに僕はけっこうな方向オンチで、今でも建物から出るときなど、自分がどちらに向かったらいいのかがわからなくなります。あっ、関係ありませんね。
【澤田裕のさいくるくるりん 続く】