日本代表なでしこジャパンは7月5日、カナダのバンクーバーで行われたサッカー女子W杯決勝でアメリカと対戦し、前半の大量失点が響き2-5で敗れた。ドイツ以来となる史上2チーム目の連覇はならなかった。
日本は前半3分、前半5分にカーリー・ロイドのゴールで立て続けに失点。いずれもセットプレーからのゴールだった。その後も日本はアメリカの猛攻に遭い、エリア内でロイドを止められない。
前半14分にクリアミスからローレン・ホリデーにゴールを許すと、直後の16分にはパスをカットされ、三度ロイドに決められてしまう。GK海堀あゆみが前へ出ていたのを見極め、ハーフウェーラインから狙う超ロングシュートだった。
ロイドは試合後「めったにできるゴールじゃない。ああいうプレーはメンタルとフィジカルの状態がいいときに、直感的に出るものだと思う」と喜びを語った。
開始20分と経たず4点のビハインド、しかもロイドにはハットトリックを達成されてしまう。厳しい状況に追い込まれた日本だが前半27分、宮間あやからのロングボールを川澄奈穂美が右サイドで受け、中央に折り返すと大儀見優季が反転しながら相手をかわしシュート。アメリカの連続無失点を終わらせるゴールで1点返した。
日本は前半33分、岩清水梓に代え澤穂希を投入し勝負に出る。その後は両チーム激しい攻防が続くものの、スコアは動かず前半を1-4で終えた。
最後まで勝利をあきらめない日本は、後半7分に宮間あやのフリーキックから澤がゴール前に飛び込むと、マークについていたジュリー・ジョンストンに当たりボールがゴールラインを割る。
開始早々に1点を返し反撃ムードに盛り上がる日本。だが直後の後半9分、またもセットプレーから失点し、再び差を広げられた。
3点を返さなければならない日本は後半25分、佐々木則夫監督が突如3バックの指示を出す。これまで4バックしかやってこなかった選手は混乱し、うまく指示が伝わらずポジションを誤る場面も見られた。佐々木監督は日本がコーナーキックを獲得した間に阪口夢穂を呼び、有吉佐織を前に上げる指示を出す。
前に人数をかけ最後まで勝負に出た日本だが、点を返すことはできず2-5のまま試合は終了した。
佐々木則夫監督のコメント
「ロイド選手にはいつもやられている。ロンドン五輪でも2点取られている。今回は3点とは情けないが、本当に素晴らしい選手なので敬意を表します。最優秀選手(ゴールデンボール賞)獲得おめでとうございます」
カーリー・ロイド選手のコメント
「最初の30分間は気を失ったかのようだった。クレイジーで信じられないような瞬間だった。本当にチームのみんなを誇りに思う」
《岩藤健》
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