【INDYCAR 第11戦】佐藤琢磨、トップ集団で戦うもクラッシュ…優勝はレイホール | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【INDYCAR 第11戦】佐藤琢磨、トップ集団で戦うもクラッシュ…優勝はレイホール

スポーツ 短信
トップ集団で争った#14 佐藤琢磨だったが、上位フィニッシュは果たせず。
  • トップ集団で争った#14 佐藤琢磨だったが、上位フィニッシュは果たせず。
  • 2年ぶりの優勝とオーバルコースでの初優勝が見えた佐藤琢磨だったが、結果は無念。
  • 終盤、上位集団にいた琢磨とパワーがクラッシュ。
  • 優勝したグレアム・レイホール。
  • 左から2位カナーン、優勝レイホール、3位アンドレッティ。
  • #14 琢磨も加わるトップ集団。写真先頭の#15 レイホールが優勝、写真後方奥の青いマシン、#10 カナーンが最終的に2位。#2 モントーヤは4位。
  • 3位の#27 マルコ・アンドレッティ。
  • 写真先頭は#14 佐藤琢磨。
インディカー・シリーズ第11戦決勝が現地27日、米カリフォルニア州フォンタナで開催された。佐藤琢磨は計31周のトップ走行を重ねるなど好調だったが、終盤のアクシデントにより最終結果18位。グレアム・レイホールが優勝を飾った。

高速ビッグオーバル「オートクラブ・スピードウェイ」での500マイル(約800km)戦は、前半がアクシデント等によるフルコースコーションなしのスピーディーな展開、そして後半は一転してコーションが相次ぐスペクタクルな展開となったが、レース全般を通じて共通していたのは、幅の広いコース上で頻繁なトップ交代が続いたことである。250周のなかで周回完了ベースのトップ交代が80回(シリーズ新記録)、14人のドライバーがトップ走行経験という、上位接近の集団攻防レースが繰り広げられていった。

対シボレーで今季苦戦傾向にあったホンダエンジン勢も今回は数台がトップ10圏内に入ってくるなど、両陣営入り乱れての高速大接戦モード。そこで存在感を発揮したのが琢磨(#14 A.J.Foyt Racing/ホンダ)だった。9番グリッド発進から、最初のルーティンピット時期を境にトップ戦線へと浮上した琢磨は、最終的に計31周という、この日のトップ周回数3位タイの数字を記録するなど、多少の浮き沈みはありつつもトップ10圏内を維持して戦い続けていく。

レース後半、軽微な接触に起因すると思われるリヤのパーツ交換等で一時は周回遅れとなるも、その後の展開のなかで琢磨は見事リカバリーに成功。残り10周を切ろうかいう段階では、再びトップに手が届くポジションを走っていた。マシンの手応えも良く見え、通算2勝目も充分にあり得る状況。しかし、そこで残念なアクシデントが起きてしまう。

琢磨は、内側にスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/シボレー)、外側にウィル・パワー(#1 Team Penske/シボレー)、チャンピオン経験者両名と3台横並びで、トップ至近距離の4番手を争う状況となる。ここで3車の間にコツコツとした接触があり、それを端緒として琢磨とパワーのマシンがクラッシュしてしまったのである。大きなケガはなかったようだが、なんとも残念な、無念極まるアクシデントだった。

佐藤琢磨のコメント
「本当に残念です。戦っていた相手は経験豊富な2人でした。しかし、彼らが両側から自分のラインをせばめるように寄ってきた(かたちになった)のです。すでにマシンの3分の2を彼らの間に突っ込んでいたため、接触を避けきれませんでした。

今日のマシンは本当に素晴らしいハンドリングになっていて、コースのどんなラインでも走ることができました。トップレベルのマシン状態でしたね。優勝するつもりで走っていただけに、非常に残念な結果です。

しかし、今回のマシンの状態の良さは大きな自信につながります。もうひとつ残された高速オーバル戦、ポコノ(第15戦)では再びトップ争いができるでしょう。そして次戦からの2レース、ミルウォーキーとアイオワというショートオーバルでの戦いも楽しみにしています」。

琢磨とパワーのアクシデントによりフルコースコーションとなったレースは、そのまま隊列走行での終了となることを避けるために赤旗で一旦中断、残り実質3周での再開となる。しかし、最終ラップ突入という段階で今度はマシンが宙を舞う接触アクシデントが発生。結局はフルコースコーション下でのフィニッシュを迎えることとなった。

優勝はレイホール(#15 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)。自身7年ぶりの通算2勝目に、「ついに勝つことができ、本当に嬉しく思う。優勝までにはとても長い時間がかかったが、私たちのチームは努力を続け、ついに勝利をつかみとった」とレイホールは喜びの大きさを語る。かつてのこのカテゴリーのチャンピオンである父ボビーが参画する現チーム体制での自身初勝利ともなった。

「献身的な働きを続けてくれているチームクルーには感謝しても感謝しきれない。今日はレースを通じてマシンが素晴らしいハンドリングになっていた」とチームに感謝するレイホールは、「そのうえ、エンジンにはパワーと燃費の良さが備わっていた。ホンダが休みなくハードワークを続けてくれたおかげであり、彼らの情熱にも脱帽だ」とホンダの貢献を讃えてもいる。この勝利は19番グリッド発進からの逆転勝利でもあった。

3位にマルコ・アンドレッティ(#27 Andretti Autosport)が入り、ホンダ勢としては1-3フィニッシュのかたちに。2位のトニー・カナーン(#10 Chip Ganassi Racing)がシボレー勢最上位で、4位は現在ポイントリーダーのファン・パブロ・モントーヤ(#2 Team Penske/シボレー)、そして5位はルーキー(昨季1戦出走)のセージ・カラム(#8 Chip Ganassi Racing/シボレー)だった。6位にはディクソンが入っている。

ポール発進だったシモン・パジェノー(#22 Team Penske/シボレー)は9位。なお、琢磨は18位、パワーは19位という最終結果だった(出走23台)。

早くも残り5戦となったインディカー・シリーズ、次戦は伝統のショートオーバル「ザ・ミルウォーキー・マイル」が舞台となる。第12戦決勝は現地7月12日の予定だ。
《遠藤俊幸@レスポンス》

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