【Next Stars】物心ついたときには金メダリストを目指していた…トランポリン外村哲也選手 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【Next Stars】物心ついたときには金メダリストを目指していた…トランポリン外村哲也選手

オピニオン ボイス
トランポリン 外村哲也選手
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「物心付いたときには、金メダリストを目指していました」

外村選手は他のスポーツのことはほとんど知らなかったという。父親がメダリスト。その部分をメディアに取り上げられることも多い外村選手だが、それだけでは彼のトランポリン選手の本質には迫れない。生い立ちに迫る。

■トランポリンってどんな競技?


---:トランポリンという競技について教えてください。

外村哲也選手(以下、敬称略):トランポリン競技は、現在は体操競技の中に入っています。そのひとつとしてトランポリン競技があります。私の所属の大もとは日本体操協会ということになります。

その中でも、一番有名なのは器械体操。恐らく、次が新体操。3番目にオリンピック種目になった競技としてトランポリン。他にもラートとか徒手体操、エアロビックなどいろいろあるのです。その中でオリンピック競技になっているのが、体操、新体操、トランポリンの3つになります。

トランポリン競技自体は3種目あります。まず、ひとりで飛び上がって技をする個人競技。次にトランポリン2台を使って、ふたりの選手が同時に同じ技をするシンクロナイズト競技。最後、体操競技とほとんど同じルールで個人の演技を行って、その中の3人の選手の点数を合計して競う団体競技があります。

---:トランポリンは発祥の地はどこですか?

外村:発祥はヨーロッパです。スイスがトランポリンを作ったとされていますが、もともとはサーカスとかなんですね。空中ブランコで、落っこちても大丈夫なようにネットを張った。それは吸収するためのものなので、下にビヨ~ンと下がって跳ね上げはあまり強くないです。

その張りを強くしたら跳ねることができるんじゃないか、みたいな感じで改良を加えて製品にしたのがスイス人らしいです。それをアメリカに持っていって広げたそうです。ただ、トランポリン競技として普及しているのはヨーロッパですね。アメリカもないわけじゃないのですが。



■父がメダリスト。金メダルを目指す環境

---:この競技に出会ったのはいつですか?

外村:父がオリンピックに出場してメダルを獲っています(1984年ロサンゼルス五輪体操団体で銅メダル・外村康二氏)。父の仕事はオリンピックや世界選手権に行くナショナルメンバーのコーチや実業団のコーチなど、体操に携わった仕事でした。私は生まれたときから父に付いていって、体操にはなじみが出てきていました。自然とジュニアのクラブに通って、物心ついたときには"オリンピックの金メダルを目指して体操をやる"という環境で育ってきたんですね。

トランポリンとの出会いですが、体操競技の練習の中でトランポリンを使って練習をするものもあったんです。なので、トランポリン自体も生まれたときからなじみがあるものでした。体操で練習するトランポリンと、大会で勝つためのトランポリン競技は結構違うもので、最初はトランポリン競技をしようと思ったわけではなかったんです。

競技としてのトランポリンには取り組まず、ずっと体操の練習のひとつとしてトランポリンをやっていた時期のことです。体操は下積みの長い競技です。通っていたジュニアのクラブが「オリンピックでメダルを獲るぞ」と掲げていて、試合には出ないでずっと練習ばかりしていました。でも練習だけじゃ面白くない。そういう精神状態のときにトランポリンの"競技"に出会ったんです。

当時、茨城に住む祖父の家の近くにトランポリンのクラブがありました。祖父が「ちょっと遊びに行ってみたら?」と言うので行ってみたら、すごく上手な選手の演技を見ることができた。すごいなと思ったし、体験でやらせてもらいました。そのときに、いきなり先生の補助で宙返りを練習したのです。「基礎できてるだろう?じゃあ、できるわ」って。それがすごい楽しくて。

でも、しばらくは体操をメインにしつつ、トランポリン競技を体操の向上につなげていこうと、両方やっている時期があったんですね。小学校1年生から小学校4年生まで、3年間ぐらい両方やっていました。状況が変わったきっかけが引っ越しでした。生まれた東京から、茨城の祖父母の家の近くに引っ越しました。

つまり、トランポリンクラブに行ってトランポリンだけをやる環境になった。体操をやる環境がないのはキツいなと思うところも確かにあったのですが、トランポリンに傾いてたところもあった。「トランポリンで世界に行くぞ、世界で1位になるぞ」と決めたのは引っ越しがきっかけの小学校4年、10歳ぐらいのときですね。

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《編集部》

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