今シーズンは不調を完全に脱せず、得意なクレーコートシーズンで1度も優勝がないまま、ローラン・ギャロスに入ったナダル。しかし1回戦を順調に勝つと、その後も試合を重ねるほど動きにキレが増し、地元スポーツ紙レキップも「全仏はナダルの庭だ!」と書くほどだった。
ナダルが本当にかつての強さを取り戻したのか、全仏6連覇と10度目の優勝を達成するだけの力があるのか見る最高の舞台が、準々決勝に用意されたジョコビッチ戦だった。
対するジョコビッチも生涯グランドスラムの達成に向け、四大大会で唯一制したことがない全仏に気合いが入っていた。不調のナダルとは対称的に、今シーズンは出場したマスターズ1000大会を完全制覇、手がつけられない圧倒的な強さで乗り込んできた。
試合は立ち上がりからジョコビッチの4ゲーム連取でスタートする。ナダルは自分のサービスゲームをキープできない。しかし、ここからナダルもクレー・キングの意地を見せ、連続でゲームを取り返す。第12ゲームでナダルにミスが出てジョコビッチが先にセットを奪うも、長い試合になりそうな雰囲気だった。
だが第2セットに入るとジョコビッチが攻勢を強め、ナダルは相手の勢いを止められない。連続でセットを落とすと、第3セットも序盤にサービスゲームをブレークされ、これに「ショックを受けた」ナダルは意気消沈し為す術なく敗れた。
試合後ナダルは「第1セットは良いゲームができた。第2セットも戦えていた。しかし第3セットのブレークはショックを受けた」と語り、第3セットの立ち上がりが勝負を決めたと振り返った。
全仏ではひとり異次元の強さを誇ってきたナダル。絶対王者の敗戦に「全仏でナダルを判官贔屓するだなんて、ひとつの時代が終わったな」「おおう…ナダルが全仏でストレート負けとは…」「どこを切ってもガッカリすることのない、全力の試合だったなあ」「ナダルがストレート負けするとかもうジョコビッチ優勝でしょ」など時代の終焉を感じるファンが多い。
ジョコビッチは全仏オープンでナダルに初勝利。2012年、2014年の大会では決勝で敗れた相手を下し初制覇に向け前進した。通常の大会では準決勝以降に調子のピーク持って来るところ、今回はナダル戦を踏まえ準々決勝までに早いペースで仕上げた。その影響が残り2試合でどう出るか。
準決勝の相手はアンディー・マレー。今シーズンのマレーは自身のキャリア初、英国人男子としても1976年のクリストファー・バスター・モットラム以来となるクレーコートでの優勝を果たしており、クレーでの戦いに自信を深めている。
ジョコビッチにとっては気の抜けない相手との戦いが続く。
Novak Djokovic beats Rafa Nadal 75 63 61 to reach the ROLAND-GARROS semi-finals.What was the key to Novak's victory?
Posted by ATP World Tour on 2015年6月3日