2月1日に開催された第49回スーパーボウルで見せたシアトル・シーホークスのプレーについて、未だ全米のメディアはこれだという解答を見出せていない。
最後のプレーで逆転する余地を残しながら、パスをインターセプトされ敗北。「ランニングバックのマーション・リンチにボールを渡していたら…」そんな声がメディアやファンだけでなく、現役の選手からも聞かれる。
これまでリンチはこの問題に関して言及することは避けている。試合後のインタビューで「フットボールはチームスポーツ。こういうこともある」と答えるに留めた。だがリンチはついにメディアの前で口を開いた。
トルコでテレビ出演したリンチは「自分にボールが渡って来るものだと思っていた」と、やはりランでの攻撃を予想し準備していたと明かした。「しかし試合後も言ったとおり、フットボールはチームスポーツ。人生にはこういうことも起こりえる」と語るリンチ。
一方で「もし自分にボールが渡っていたら」とも話し出した。
「もし自分にボールが渡っていたらスーパーボウルMVPを獲得し、アメリカの顔になっていたかもしれないね。自分が持っていったほうが良かったかは分からないけど。何度も練習してきたプレーだから、チームメイトを信頼して任せたよ。プレーコールの決断について問題はなかったんじゃないかな。なんで出したかは分からないが」
また最後のプレーは自分で持っていきたかったかと訊かれると「そうだね。そうなれば良かった」と、大事な場面で起用されなかったことに複雑な胸中も覗かせた。
試合後にはピート・キャロルHCが、リンチではなくQBのラッセル・ウィルソンにMVPを獲らせるため、パス投げさせたのではないかという憶測まで出た今回の騒動。
リンチの「アメリカの顔」発言は、そうした声を意識してのものかもしれない。
《岩藤健》
page top