【THE ATHLETE】決戦は5月2日か? メイウェザーがパッキャオとのドリームマッチ実現に向け言及 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE ATHLETE】決戦は5月2日か? メイウェザーがパッキャオとのドリームマッチ実現に向け言及

オピニオン コラム
フロイド・メイウェザーJr.(2014年9月13日)(c)Getty Images
  • フロイド・メイウェザーJr.(2014年9月13日)(c)Getty Images
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  • マニー・パッキャオ(2014年11月23日)(c)Getty Images
  • マニー・パッキャオ(2014年11月23日)(c)Getty Images
ボクシング界で最も実現が望まれながら、長く幻のカードとなっていたフロイド・メイウェザーJr.対マニー・パッキャオ戦が、ここにきて急展開を見せ始めた。

米国のケーブルテレビ局Showtimeのインタビューでパッキャオ戦について聞かれたメイウェザーが、2015年の5月2日にやろうと具体的な日取りを指定して呼びかけたのだ。


「ファンは常にパッキャオ陣営の話ばかり聞いてきた。お前らは馬鹿野郎さ。俺は何年も前から試合しようと言ってきたのに。採血や採尿を口実に逃げ回っていたのは、やつらのほうだ。俺はお前たちが繰り返す、俺への批判にうんざりしている。今こそ人々が望んでいる試合をやろう。準備はできている。5月2日だ」

インタビューの中でメイウェザーは、過去の経緯なども含めパッキャオ戦について語っている。

◆2009年来の舌戦、ドーピング問題指摘も

2人の対戦が初めて持ち上がったのは2009年のことだった。2007年にメイウェザーが、2008年にはパッキャオがオスカー・デ・ラ・ホーヤに勝利し、ウェルター級の最強決定戦になると期待された。しかしメイウェザー側が要求したオリンピック基準のドーピング検査を、パッキャオ側が「試合直前の採血はコンディションに影響する」として拒否したため、この話は多方面の関係者を巻き込んだ末に消滅した。

自身も5階級王者として、スピードは維持したまま上の階級で戦う難しさを知るメイウェザーが、間に飛ばした階級も含めればデビュー時から10階級上げてきたパッキャオに、薬物使用を疑うのは無理からぬ話だ。


フロイド・メイウェザーJr.(2014年9月13日)(c)Getty Images

メイウェザーは「パッキャオはドーピングしている」と繰り返し発言。パッキャオ陣営が名誉毀損で訴える泥沼の法廷闘争にもなった。その後パッキャオは、2013年のブランドン・リオス戦前に抜き打ちドーピング検査を受け入れ、陽性反応は出なかった。

2012年にはメイウェザーが「ファイトマネーを4000万ドル用意するからやろう」と持ちかけた。しかし取り分が50:50でなければやらないと、パッキャオ側がこれを拒否する。

◆ピークは過ぎてもビジネス的に旨味あり?

今回のインタビューでメイウェザーは「当時でもPPV(ペイ・パー・ビュー)の販売数を考えれば50:50にならないのは当然だった」とし、「あれからやつはティモシー・ブラッドリーとファン・マヌエル・マルケスに連敗し、PPVの販売数が急落している。危機的状況ってやつだな」と、パッキャオ陣営の痛いところ突いて挑発する場面もあった。

挑発と言えば11月にはFacebookに、パッキャオがマルケスにKOされた瞬間の動画を貼り付け、現在までに340万回以上再生されている。



可能な限りKOを狙おうとするパッキャオのファイトスタイルでは、KOを狙いながら逆に敗北を喫すことも起こり得る。この試合もマルケスを仕留めにかかったところで、タイミングよく右のカウンターが出た。

そしてメイウェザーは鉄壁のディフェンスから、攻防一体のカウンターの名手としても知られる。

ここにきてメイウェザー陣営がパッキャオ戦の実現に向け攻勢を強めるのはなぜか。ひとつにはパッキャオほどでないにしろ、メイウェザーもPPVの販売数が伸び悩んでいる現状ある。

2009年のファン・マヌエル・マルケス戦から、2012年のミゲール・コット戦まで4試合連続100万件を超えていた販売数が、放送局をShowtimeに移してから4試合で100万件超えは1試合しかない。

Showtimeとメイウェザーは6試合で2億ドル(約234億円)の大型契約を結んでいる。この販売件数では放送局側は赤字だ。仮にパッキャオ戦が実現すれば、メイウェザーがデ・ラ・ホーヤ戦で記録した240万件も超え、PPVの販売数で歴代記録を更新するのは確実と見られる。

だがそうなるとビジネス上の問題が発生する。パッキャオが契約しているのは、ライバルのHBOなのだ。メイウェザーは「試合はShowtimeで放送される必要がある」としているが、HBOと専属契約を結んでいるパッキャオが、Showtimeを利用するような動きをできるはずがない。


マニー・パッキャオ(2014年11月23日)(c)Getty Images

◆ビッグマッチならライバル放送局がタッグ

それでは今回もダメなのかと心配する声も多いが、過去にマイク・タイソン対レノックス・ルイス戦をHBOとShowtimeが共同放送した前例あり、大金を生むビッグマッチ実現のためなら両社が手を組む可能性は十分ある。

既にパッキャオの関係者とShowtimeの親会社CBSの役員が接触したという話は出ており、何らかの話し合いが持たれたなら実現に向け大きく前進したと推測もできる。

中量級に多彩なタレントが集まった2000年代のボクシング界。その中でも2人の存在はひときわ異彩を放っている。旬は過ぎたと言う声もあるが、だからこそ、いい加減この論争に決着をつけて次の時代に進みたい。

メイウェザーとパッキャオ。どちらが強いかハッキリさせる最後のチャンスだ。
《岩藤健》

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