MTBダウンヒルシリーズにみる、マイナー競技育成への想い | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

MTBダウンヒルシリーズにみる、マイナー競技育成への想い

スポーツ まとめ
本戦での井本はじめ
  • 本戦での井本はじめ
  • MTBダウンヒルシリーズ、九州熊本吉無田高原にて開催
  • MTBダウンヒルシリーズ、九州熊本吉無田高原にて開催
  • MTBダウンヒルシリーズ、九州熊本吉無田高原にて開催
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  • MTBダウンヒルシリーズ、九州熊本吉無田高原にて開催
  • MTBダウンヒルシリーズ、九州熊本吉無田高原にて開催
MTBダウンヒルシリーズが、九州熊本吉無田高原を最後に、来シーズンへの余韻を残し閉幕した。

あえてここで振り返っておきたい。MTBダウンヒルシリーズとはいったい何か。競技の育成と、普及を支える選手、関係者の想いとは。




MTBダウンヒルの国内最高峰といわれるジャパンシリーズは、開催場所が限られており、日本マウンテンバイク協会が公開する2014年カレンダーでは、九州地方で行なわれる大会は1度だった。

開催場所は年間を通じて北は岩手県、南は熊本県までとなっている。したがって、国内で最高峰のレースを楽しむ機会は多くないのが実情。しかし、地元のライダーたちが集まり、草レースが開催される盛り上がりもある。

そこで、西日本をJシリーズのように転戦し、レースを開催しようと生まれたのがMTBダウンヒルシリーズだ。主催/企画はSLメディアだが、運営は有志で集まったMTB愛好者とコースのスタッフによって行われている。

12月第二週に開催されたレースでは、地元熊本のライダーだけではなく、宮崎、佐賀、福岡、広島などから選手が集まった。ジュニア世代では全戦転戦しているという小学生もいた。集まったライダーたちは定期的にダウンヒルコースに通い、練習を兼ねてMTBを楽しんでいるという。



ローカルライダーや地元の有志で集まった運営に話を聞いた。

「全国クラスのエリートライダーが九州に来てくれるだけでもうれしい。生で見られるだけでも全然違う。」

「一緒に走れて、本格的なレースに出られる機会があるというのもありがたい。」

スポーツサイクルのムーブメントは、国内でも一定の動きを見せている。が、MTBはまだまだ発展途上である。競技の場が多くない実情を反映してのコメントだろう。



今回のレースは2日間にわたって開催された。期間中は大阪にあるパン屋「アッチャルポーネ」が全戦選手とともに駆けつけ、ホットドッグとコーヒーで選手の胃袋を満たした。地元の飲食店もブースを構え、うどんやたこ焼きなどを販売。祭りの露店のようにイベント盛り上げた。また、コメンサル、KTM/JAMIS、ダートフリーク、トレック、マビック、などMTB主要メーカーのブースも立ち並び、プロ・アマ問わず多くのライダーが注目の新車やホイールを試していた。

この大会で、エリート男子準優勝を果たした、清水一輝選手はこう語ってくれた。


清水一輝選手

「Jシリーズとは違ってこのダウンヒルシリーズは、普段、足を踏み入れない場所を周るので楽しい。九州のショップさんやチームは、長距離を移動して全日本選手権などに参加してくれ、熱心な方たちが多かった。九州のファンやMTB愛好者に自分の走りを見せて恩返ししたい、というのが前々からあって、今回それが叶ってよかった。他のレースとの兼ね合いで行けないときもあるけれど、今後も積極的に参加します。」

そして、エリート男子で優勝を果たした井本はじめ選手も大会について感想を寄せた。

「国内なのに、飛行機で移動するのが新鮮。今回だったら搬送だったりレンタカーを借りたり、会場でもスタート位置まで行くためのリフトがまた新鮮でした。その土地土地での出会いも楽しみで。西日本ではトレイルを走るという、自分の知らないMTB文化にも出会えて、新しい発見がたくさんあり、楽しかったですね。」


井本はじめ選手


MTBダウンヒルのトッププロが西日本を転戦するこのシリーズは来年も続く予定。選手の間ではすでに第2のJシリーズといわれている。競技人口を増やし、選手を育てるためにも、継続的な開催が期待される。
《上水流晋》

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