【オーストラリアの風景】積極性を養うオーストラリアの教育 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【オーストラリアの風景】積極性を養うオーストラリアの教育

オピニオン コラム
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毎年、8月になると私は日本からの短期留学生の受け入れスタッフ・フォトグラファーとして学生のお世話をしています。

学生たちは、日本からの旅立ちの前に日本と西洋の違いを教えられ、また基本的な英語を叩き込まれてくるようです。数日間は言葉が通じないことに慌てますが、しばらく現地校に通うようになると言葉よりも日本との授業の進行内容の違いに驚きます。

◆学ぶことに対して能動的か、受動的か

授業の中で、先生がたびたび日本の学生たちに質問を投げかけます。答えがわかっていても、なかなか答えられないケースがほとんど(授業に慣れていくうちに次第に答えを出すように変わります)。反対に地元の学生たちは、先生の問いかけに我先にと答えます。自分の答えを出すことで、自分の存在を先生にアピールするのです。

これは一つの例ですが、日本での学校では先生が話しかける、比較的受身であるのに対し、オーストラリアでは生徒たちが授業を積極的に進めていくというやり方をとっています。先生がテーマを与え、学生たち自らが調べそれを発表するという授業が多いようです。その過程の中で、物事を自分で考えるという訓練がされるのではないでしょうか。

日米教育委員会によると「自らが学ぶ」ことを教育理念として掲げています。各自が調べ色々な視点からの独自の意見が交わされることにより、学生たちは学んでいくようです。オーストラリアもほとんど同じ。学生たちは、毎回出される宿題にインターネットや図書館で文献を探してまとめあげ、自らの言葉で文章を作っていきます。レポートの作成・プレゼンテーションやディベートなどから、多くの高校生が卒業までに自己表現のスキルを習得します。

◆日本の教育に変化は能動性を育む変化は

文部科学省によると、「総合的な学習の時間」をこれから積極的に導入する予定だそう。

そのプログラムの中では、生徒たちが自ら考え主体的に判断して問題解決する能力をつけることが狙いとなっています。しかしながら、他の授業ではこれまでとさほど変わりがないのではないでしょうか。受身で授業を受け記憶する、その記憶がいつまで続くのかそれも疑問に残ります。国際的に見ると、日本の学力はまだ上位にあるということですが、省のアンケートによると判断力や表現力が十分に身についていないという結果もでているようです。

覚えるというプロセスは大事なことですが、その覚えたことを自分なりに理解して言葉にすることはもっと重要なことではないか、とオーストラリアでの生活を通して感じています。

また単に覚えるよりも、そのことの裏付けを学んだ方が本人のものとなり、より実践的に活用できるのでは、とも。

海外に出た日本人の学生が、留学生活の中から自らの言葉で伝えるということを学んでほしいと思います。
《さくら 麻美》

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