スペインのポンフェラーダで9月28日に開催された世界選手権ロードのエリート男子に、日本のエースとして出場した新城幸也(ヨーロッパカー)は210km地点でリタイアした。
朝から雲に覆われ、雨が降ったかと思うと、強い日差しが照りつける。蒸し暑い状態になったかと思うと、午後は再び冷たい雨が降ったり止んだりという、非常に不安定な天気に見舞われた。選手たちの一番の不安要素だった雨に苦しめられたレースだった。
「走り出したら調子もよく、100km過ぎまで快調に走っていたが、突然吐き気をおぼえて足が動かなくなってしまった。我慢しながら200km過ぎまで集団で耐えたが、吐き気が止まらず我慢しきれず、遅れ出してしまった」と新城。
「このまま走っていても完走することがやっとだろうと考え、途中でレースを降りた。なにがあったのかわからないくらい、いきなり身体が止まってしまった」
リタイアした直後の新城は茫然と座り込み、しばらくその場から動くことができなかった。
手足は200km以上走っていたとは思えないほど冷たく冷え切っていて、新城自身が気づかないうちに寒さでハンガーノックを起こしていたと考えられた。
「スタッフの完璧なサポートの中、エースとして走らせてもらっていたのに。楽しみに応援してくれていたみなさんにも本当に申し訳ない結果となってしまった。世界選手権はいつも走っているレースよりさらに一段上のレベル。完璧に準備してきたつもりでも、この1日にすべてを出し切れなかったのも含めて自分の弱さ。まだまだ世界のトップには足りないものがある。このままでは終われない」
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