【アーカイブ】手頃な価格が魅力のカーボンバック完成車ジェイミス ヴェンチュラ 安井行生の徹底インプレ 2008年モデル | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【アーカイブ】手頃な価格が魅力のカーボンバック完成車ジェイミス ヴェンチュラ 安井行生の徹底インプレ 2008年モデル

オピニオン インプレ
【アーカイブ】手頃な価格が魅力のカーボンバック完成車ジェイミス ヴェンチュラ 安井行生の徹底インプレ 2008年モデル
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安井行生のロードバイク徹底インプレッション




手頃な価格が魅力のカーボンバック完成車 「操る楽しさ」 を重視したジェイミスロード



ジェイミスがリリースする入門用コンプリートバイク、ヴェンチュラ。ダブルバテッドアルミフレームにカーボンフォークとカーボンバックを組み合わせ、シマノ・105をインストールしたバランスのとれたモデルだ。今回も安井が300kmオーバーを走破しての徹底試乗!



(text:安井行生 photo:我妻英次郎/安井行生)



vol.13で乗ったジェイミス・ゼニスが、アメリカのアウトドア系専門誌 「Outside」 にて “2008 the GEAR of the YEAR” を、同じくアメリカの自転車専門誌 「Bicycling」 にて “2008 BEST ENTHUSIAST ROAD BIKE” を受賞したという。日本ではイメージがまだ定着していない 「ジェイミスのロード」 だが、本国アメリカでは人気、評価共にかなり高いようだ。



そのジェイミスの入門用ロードバイクが、今回登場するヴェンチュラ。キネシス製のダブルバテッドアルミチューブをメインフレームの素材とし、カーボンシートステーとストレートカーボンフォークを組み合わせたジェイミスの完成車である。メインコンポはシマノ・105の20スピード。FSAのコンパクトクランクを装備し、ロングライド的な走りやビギナーにも対応している。ホワイト×ブルーの爽やかなカラーリングと手頃な価格も魅力だ。



ちなみにこのヴェンチュラは、前出の 「Bicycling」 誌で、2007年度の “Best Entry Level Road Bike” に選ばれている。







スペック







「持って重いが走って軽い」 と言ってもいい アルミの切れ味を活かした力強い走り







価格を考慮すると、予想以上によく走るバイクである。バックステーの形状なんてとてもじゃないがスマートとは言いがたい。しかしこれがペダリングパワーをキッチリと路面に伝えてくれるのである。ホイールだって、見るからに重そうなアルミエアロリムに太めのプレーンスポークでガッシリと組んである。実際重いのだろう。だが、鋭いとは言いがたいものの力強い加速をしてくれるのである。15万円ちょっとのバイクがここまでしっかりと走るとは思わなかった。これは期待以上という意味でナンバーワンだ。



登坂では、車体とホイールの重さが顔を出し、さすがにヒラリヒラリというわけにはいかない。しかし入門モデルとしては過ぎるほど上出来だ。踏めばしっかりとグイグイ進んでくれる。感じるのは 「走りの重さ」 ではなく、「重量の重さ」 である。コスト制約が大きい価格帯のバイクで、「重量の重さ」 は設計の良否では解決できるものではなく、ある程度は仕方がない。しかしこのヴェンチュラは 「持って重いが走って軽い」 と言っても過言ではない性能を持っている。







これは充分にロードバイクの走りだと言える。このヴェンチュラより走らない30万円台のカーボンバイクなんてたくさんある。そのかわり振動吸収性には多少目をつぶってほしい。ショックはしっかりと伝わってくる。シートステー本体とシートステー取り付け部を横に扁平させるという形状から、ねじり方向の剛性を確保しつつ縦方向に柔軟性を出そうという設計意図は読み取れるが、それが体感へは繋がっていないように思う。



ただし、今回の試乗車はサイズがかなり小さく、しかもWSDという女性向けのジオメトリで組まれた個体だった。これが通常のサイズで通常のジオメトリになると、このバランスが崩れる可能性はある。それに加え、ポジションをフィットさせるためにハンドル・ステム・サドル・クランクを交換して試乗を行った。ハンドル周りやクランクの剛性感がライディングフィールに影響を及ぼしているかもしれない。こればっかりは乗ってみないと分からない。しかしいいバイクであることは間違いないだろう。





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