また、生徒を預かった以上は人間としても成長させて、さらに上のステージを送り出してあげたい、そんな指導者も多い。
■地方の大学にも積極的に送り出す
昨年、日本野球機構(NPB)新記録となるシーズン通算216安打を記録した西武ライオンズの秋山翔吾外野手の高校時代の恩師である横浜創学館・森田誠一監督もそのひとりだ。
就任以来、校名変更前の横浜商工時代の石井裕也(三菱重工横浜=現三菱日立パワーシステムズ横浜→中日→横浜→日本ハム)、早坂圭介(ロッテ)をはじめとして高橋徹(ソフトバンク)、北野洸貴(神奈川大→ヤクルト)、内藤雄太(八戸大=現八戸学院大→DeNA)、坂田遼(函館大→西武)、望月惇志(阪神)に、秋山と8人もプロ野球選手へと導いた。秋山のほか、坂田と石井も現役で活躍している。望月はドラフト4位で今年から入団した投手。
秋山は、内藤と同じ八戸大を経てプロ入りしている。横浜創学館は関東から北東北や北海道の大学へ進学して、その後プロ入りする先駆け的な役割も果たしていた。そこには、森田監督の強い思いもあった。
「大学で野球をやるというのは、ある意味では余力だと思っています。親に負担をかけないでやれるのならやりなさいとよく言っています。ウチで野球をやっているということは、横浜や東海大相模といったところから声がかからなかった子たちがほとんど。親にも負担をかけて野球をやらせてもらってきたわけだから、それ以上の負担をかけさせないで野球を続けられる環境を見つけてあげることも大事なんですね。そのひとつとして、地方の大学から声かけてもらえて、そこで使ってもらえるのならば積極的に送り出してあげましょう」
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横浜創学館vs花咲徳栄
そういう考えである。つまり、特待生などの優遇を受けられる形で迎え入れてもらえ、「野球は、試合で使ってもらってなんぼ」という考えから、試合に出られる環境を第一優先として考えていく。その選択肢として、北東北大学連盟や北海道学生連盟が候補になってきているのだ。
【横浜創学館と花咲徳栄、より上のステージを目指す指導 続く】