その横浜創学館と花咲徳栄との練習試合が6月中旬に、埼玉県加須市の花咲徳栄グラウンドで行われた。花咲徳栄はこのところ立て続けにドラフト指名選手が現れて大瀧愛斗(西武2015年ドラフト4位)、若月健也(オリックス2013年ドラフト3位)とプロ選手を輩出、大学経由では根本俊一(東北福祉大→ロッテ2006年大学社会人ドラフト3巡目)がいる。


今年も花咲徳栄にはドラフト候補と注目される左腕投手の高橋昂也君がいる。しかし、この日は第1試合で終盤3イニングを任されたものの、内容としては本来の球のキレが見られず3失点。横浜創学館打線もそれまでは綱脇君、清水達也君というふたりの投手に抑えられていたのが、高橋君が出てきた途端に覚醒したかのように積極的にバットを振っていく姿勢を見せて、9回の3点につながった。
花咲徳栄の岩井隆監督は、「今の時期でこういう内容では、本人がエースとしての自覚がないとしか言いようがない。すべての面に甘い。もう一度引き締めていかないとこのままでは全然ダメだね。これではいけませんよ」と厳しかった。

この時期は多くのチームで選手たちにある程度負荷をかけていく練習メニューを組んでおり、選手たちの疲れがピークにきているのも事実。だから、どうかするとプレーに精彩を欠く部分もある。指揮官たちはそこを見逃さない。
送りバントを失敗して、その後に安打が出たとしても、それを妥協しない姿勢も示していた。「これでいいだろう」と安易になりそうなところを敢えて戒めているようでもあった。そうした姿勢が次のステージへつながっていくことは確かでもある。
第1試合は立ち上がりにビッグイニングを許してしまい、第2試合では終盤にひっくり返された横浜創学館。
「メンタルの面が弱いんですよ。ちょっと攻めてこられると気持ちが下がってしまう。そうなるともう止めようがない。一番よくない形が出てしまいました。それでも1試合目はそのまま完封されるのではなくて、最後に少し意地を示せたのは収穫としたい」
森田監督はこれからは技術的なことよりも、精神的な要素が大きくなっていくと感じている。そして夏に何らかの形で結果を残すことが、次のステージにつながることも知っている。
夏本番へ向けてあと半月。各チームの追い込みは、これからますますハードになっていく。