JR中央本線の甲斐大和駅から上日川峠と柳沢峠を越え、奥多摩湖を経由して西武池袋線の飯能駅まで距離106.6km、獲得標高2787mというコースを走りました。
猛暑が続く関東地方にあっても標高1400mを超える峠は想像以上に涼しく、曇りがちだった天気もあって快適なランとなりました。
そしてこのランには、僕がFacebookで知り合ったカナさんも参加。通っていたスポーツジムでホノルルセンチュリーライドの存在を知った彼女は、そのときまだ自転車に乗ってなかったものの、現地で借りた自転車で160kmを完走してしまったという実力の持ち主です。帰国後に愛車を購入してからは、毎週のようにあちこちのイベントに参加しています。
◆坂が苦手な自転車乗り、苦手には理由がある
そんなカナさんですが話をうかがうと坂が苦手で、「峠を上るのは楽しくないし、達成感も覚えない」とおっしゃいます。僕も得意ではありませんが峠を越えること(パスハンティングと言います)自体は好きで、前回のコラムに掲載した自転車もそれ専用の一台です。
なぜカナさんは坂がきらいなのでしょうか? どうやら人のペースに合わせざるをえなかった経験が印象を悪くしたようです。確かに同行者からあおられて上るのでは、楽しもうという気にはならないでしょう。
達成感についてはどうでしょうか?僕の経験では下界を見晴らせる峠で、「あんなところから自分の脚ひとつでここまでたどり着いた」と感慨に浸ることがありました。ただ、その話をしても彼女はピンと来ないようです。
◆上りきった達成感は人それぞれ
また、今回の峠にはたまたまロッジや茶屋があり、新鮮な桃やソフトクリームにありつくことができましたが、多くはただのピークに過ぎず、そこが女子的には物足りないのかもしれません。とはいえ峠からの下りを、それまでの憂さを晴らすかのように駆け下りていきましたから、峠を上る苦しさも帳消しにはなったことでしょう。
国道20号線の笹子峠や国道299号線の正丸峠など、かつての主要道がトンネルの開通によって交通量がガタンと減り、まるで自転車専用かと思えるようになっています。これまでの僕は峠道を無条件に薦めていたのですが、トンネルがあることでホッとする人もいるということをカナさんから教えられました。
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