約2か月後に控えた「コカ・コーラ ゼロ 鈴鹿8時間耐久ロードレース」(鈴鹿8耐)。その鈴鹿8耐にカワサキ直系の「Team Green」から参戦する渡辺一樹選手が編集部を訪れ、8耐への魅力、そして意気込みを語った。
渡辺選手の8耐参戦は2012年以来2度目。「12年はプライベーターチームでしたが、今年はメーカー直系のカワサキ TeamGREENから参戦ということで、以前とはレースの目標、そして構え方そのものが全然違いますね」という。
目標、考え方の違いとは「8耐はまず、完走そのものが非常に難しく、プライベーターでは、まずそこが大きな課題となります。しかし、今シーズンはトップクラスのチームからの参戦とあり、求められるのは当然勝利で、完走は当たり前です。コース上では約60台のマシンが入り乱れる中で走り、トップを目指すので、どのような状況になるかは未知数。しかし、そこが楽しみでもあります」と続けた。
現在23歳の渡辺選手は、近年では、2012年に全日本ロードレース選手権J-GP2でシリーズチャンピオンとなり、2013年から「TeamGREEN」に所属。自身初の1000ccマシン「カワサキ ZX-10R」を駆り、2014年も引き続き参戦中。現在、シリーズランキング4位だ。
レーサーといえば、どうして戦うようになったのか、そのきっかけも気になる。「父親がモトクロスレーサーだったということもあり、初めてバイクに乗ったのは小学4年でした。それから中学に入るまでは乗らなかったのですが、楽しさがどうしても忘れられず、13歳のときに改めて父親に、またバイクに乗りたいと伝えました。そこからレーサーとしてのキャリアがスタートしましたね。”レースをしたい”というより”またバイクに乗りたい”という気持ちがきっかけでした」と渡辺選手。
しかし、今ではバリバリのレーサーなのかというとそうではなく、最近初めて自分でバイクを購入したという。「カワサキのZ800を買いました。まずストリートファイター系のデザインが自分好みでした(笑)。でも走りは見た目とは裏腹にとても扱いやすいマシンです。仕事とは違い、コースでは意識しない“におい”や“風”を感じながら走るのでリラックスでき、とても新鮮です」と根はバイク好きで、親しみやすい一面も見せた。
では、鈴鹿サーキットとは渡辺選手にとってどのような存在なのか。「今まで走ってきたコースの中で、一番チャレンジングなコースです。ここで速く走るためには非常に多くのことが求められ、簡単ではありません。しかし、そこが大きな魅力で、楽しいサーキットですね」。
最後に、8耐に向けて現在の心境を伺うと、「チームに所属して2年目で、大きなレースに参加できることにまずは自分自身驚くとともに、感慨深いです。そして今はとにかくわくわくしています。目標はとにかく優勝、きっちり結果を求めて勝負をしていきたいと思います」と、落ち着いた表情でコメントした。
コカコーラ・ゼロ 鈴鹿8時間耐久ロードレースは7月24日(木)~28日(日)開催。レース当日は、TeamGREENピット前のスタンドが渡辺選手はじめ、チームの応援席となり、18~22歳までの観戦は無料だ。渡辺選手の勝利への執念、そして勇姿を生で味わうことができる。
《阿部哲也@レスポンス》
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