日本で所有するスマホをそのまま海外に持っていっても、国際ローミングサービスを利用すれば煩雑な申し込みをしなくてもそのまま使える。でも、たとえばドコモのスマホをツール・ド・フランスに持っていくとして、「海外1dayパケ」は24時間1280円。23日間行くなら付加使用料だけで3万円にもなるので、帰国後の請求にビックリするはずだ。
◆海外でも欠かせない通信手段の確保
25年もツール・ド・フランス取材に行っていると、通信環境は1年ごとに進化していることに驚く。その時代にマッチしたやりかたを選択し、しかも確実で安い環境を確保する必要があるから、毎年が勉強だ。ここ2年ほど、ボクはこんなやり方で節約をしているので海外旅行時の参考になれば。
キャリアはその国の会社に乗り換えるのが一番安い。だって国内通話料で済むからだ。日本の会社や知り合いから電話がかかってきても、国際通話料を支払うのは先方。受信に一切お金はかからない。またネットに関しては、ほとんどのホテルで無料の無線LAN(フランスではウィフィという)がキャッチできるし、パリでは公園でも無料接続できる。
◆プリペイド or SIM…でも現地調達だと日本語が打てない!
では、どうやってフランスならフランスのキャリアと契約するか? 選択肢は2つ。「プリペイドスマホを本体ごと買う」か、「SIMフリーのスマホを持っていって現地のSIMカードを差し込む」かだ。
プリペイドスマホはここ10年ほどボクが選択したやり方。「オランジュ(日本で言ったらドコモ)」とか「ブイグテレコム」の店頭を訪ねてパスポートを提示して購入する。「カルフール」や「ルクレルク」などのスーパーでもオリジナルのプリペイドキャリアがあるので、こっちの方が安い。ノキアやエリクソンなどの最低限機能しかついていないものなら、30ユーロほどの通話料が付いて60ユーロほどだ。
ただし「日本語が表示されない」「日本語が打てない」という制約があるので、もうひとつの方法は日本で使っているスマホをSIMロック解除して持ち込み、フランスのSIMカードを買って差し替えること。昨年にボクは1つ前に使っていた古いスマホをSIMロック解除して持っていくことにした。これなら操作も慣れているし、日本語も使える。
現地のSIMカードは「オランジュ」の一番安いものが1.99ユーロ。なぜか通話分が10ユーロ付いている。しかもネット申し込みと決済ができて、最初のホテルに届けてくれるらしい。マイクロSIMじゃないときは、「ハサミでその大きさに切れ」と指示される。乱暴だな。
無料通話分を使ってしまったら、どんな小さな町にもあるタバ(タバコや新聞などを売っている雑貨店)でお金を払い、レシートにある数字を手持ちのスマホに入力すればチャージできる。フランス語の音声案内が聞きにくいので、ボクはいつもその場で店員さんにお願いしているが、みんな気持ちよくやってくれる。
そんな感じで今年はツール・ド・フランス観戦に行っちゃおうよ。
《山口和幸》
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