「バッド・ブラッド ツール・ジャーナリストの悲哀」が未知谷から出版された。ジェレミー・ホイットル著、山形梓訳。2500円(税別)。
ツール・ド・フランスで連勝中のランス・アームストロングを追いかけ取材を続けていた英国出身の著者の忸怩たる思いは徐々に記事や行動にも現われ、反ドーピング陣営として取材拒否の憂き目に遭う。1993年から2006年までのツール・ド・フランスでのエピソード。
1993年、自転車ジャーナリストとして初めて出会ったのは世界選手権優勝直前のアームストロングだったという。アームストロングの癌、蔓延するEPO(血液ドーピング剤)、衛星放送の導入、拡大するスポーツビジネス。復帰後のアームストロングが中心となって変えていったクラシックレースの形。ビジネス先行、不正を黙認するスポンサー。このスポーツを愛していたからこそ許せなかったとつづる。
《編集部》
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