【MLB】今季の活躍ぶりを独自評価…元NPB助っ人たちの“通信簿” 守護神スアレスは文句なし「S」評価 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【MLB】今季の活躍ぶりを独自評価…元NPB助っ人たちの“通信簿” 守護神スアレスは文句なし「S」評価

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【MLB】今季の活躍ぶりを独自評価…元NPB助っ人たちの“通信簿” 守護神スアレスは文句なし「S」評価
  • 【MLB】今季の活躍ぶりを独自評価…元NPB助っ人たちの“通信簿” 守護神スアレスは文句なし「S」評価

今季のMLBもシーズン162試合のほぼ半分を消化した。そこで過去に日本プロ野球(NPB)で助っ人選手として在籍し、今季MLBで活躍する選手たちを通信簿形式で活躍ぶりを評価。

25日(日本時間26日)時点で、先発投手なら50イニング以上、救援は25試合以上、打者は25試合出場以上した選手を評価の対象とする(※記事内の成績は現地6月25日時点)

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■【投手編】スアレスを筆頭に安定した活躍

まずは投手から見てみよう。防御率と1投球回で何人の走者を出したかを示すWHIPを参考に総合的に評価した。

MLB全体の平均防御率4.03、WHIP平均1.27が基準となる。なお、防御率、WHIPともに数値は低いほど優秀で、先発投手でWHIP1.00以下はエース級といわれ、投球回数が少ない中継ぎでは数値が先発投手に比べて高くなる。

ロベルト・スアレス(パドレス)S:特に優秀

33試合4勝1敗20セーブ1ホールド 防御率1.09 WHIP0.79

NPB在籍:2016~19ソフトバンク、20~21阪神NPB通算:191試合7勝13敗68セーブ37ホールド 防御率2.81 WHIP1.16

阪神で2年連続最多セーブをマークしたスアレスが、MLB3年目の今季はクローザーに転向。韓国で行われた開幕2戦目から17機会連続でセーブ失敗なしを記録した。現在3機会連続セーブ成功中で、リーグ3位タイの20セーブを達成。今季から日本を代表するクローザーの松井裕樹がチームに加入したが、つかみ取ったクローザーの座は渡せない。

コリン・レイ(ブリュワーズ)B:良好

15試合6勝2敗 防御率3.62 WHIP1.24

NPB在籍:2021、22ソフトバンクNPB通算:29試合8勝7敗0セーブ1ホールド 防御率3.41 WHIP1.06

ソフトバンク時代にも先発と救援で奮闘したレイ。今季も2試合で2回から救援し、5月25日(同26日)のレッドソックス戦では7回までのロングリリーフで4勝目をマークするなど、チームに欠かせない存在だ。

リード・ギャレット(メッツ)B:良好

30試合7勝2敗3セーブ7ホールド 防御率3.08 WHIP1.24

NPB在籍:2020~21西武NPB通算:110試合7勝5敗2セーブ33ホールド 防御率3.46 WHIP1.52

西武では1年目16、2年目17ホールドを記録。今季はメッツに移籍し、開幕から4試合連続無失点、5月19日(同20日)までの17試合では防御率0点台をマークするなどNPB時代と変わらない安定感をみせている。

マイケル・トンキン(メッツ→ツインズ→ヤンキース)B:良好

26試合2勝3敗1セーブ0ホールド 防御率2.31 WHIP1.14

NPB在籍:2018日本ハムNPB通算:53試合4勝4敗12セーブ20ホールド 防御率3.71 WHIP1.33

日本ハムで20ホールドをマークも、帰国後は独立リーグを経験し22年にMLB復帰。今季は4月に2度移籍したのちヤンキースへ。名門加入後は20試合に登板し防御率1.04、WHIP1.00と覚醒し、欠かせない存在となっている。

マイルズ・マイコラス(カージナルス)C:普通

16試合6勝6敗 防御率4.68 WHIP1.16

NPB在籍:2015~17巨人NPB通算:62試合31勝13敗 防御率2.18 WHIP1.00

巨人1年目はリーグ最高勝率で13勝を挙げ、3年目は最多奪三振。MLB復帰1年目にリーグ最多の18勝を挙げたマイコラス。今季はキャリア3度目の開幕投手を務めた。C評価ではあるが6月は好調。4先発で負けなしの3勝と調子を上げている。

マット・ムーア(エンゼルス)C:普通

31試合3勝2敗1セーブ9ホールド 防御率5.34 WHIP1.36

NPB在籍:2020ソフトバンクNPB通算:13試合6勝3敗0セーブ0ホールド 防御率2.65 WHIP1.10

ソフトバンクでは日本シリーズで優秀選手賞を獲得するなど先発で活躍。MLB復帰後の22年から中継ぎに転向し、23年はエンゼルスで20ホールドをマークした。21日(同22日)に昨季同僚だった大谷翔平に22号アーチを許したものの、まだまだ元気な35歳のベテラン左腕だ。

ピアース・ジョンソン(ブレーブス)C:普通

26試合2勝1敗1セーブ7ホールド 防御率3.55 WHIP1.34

NPB在籍:2019阪神NPB通算:58試合2勝3敗0セーブ40ホールド 防御率1.38 WHIP0.80

19年に阪神でリーグ2位の40ホールドを挙げ、オールスターに中継ぎ部門ファン投票1位で選出。MLB復帰後はパドレス、ロッキーズでプレーし、今季からブレーブス。防御率5.79と安定感を欠いた5月の成績が足をひっぱりC評価どまりに。

■【打者編】NPBでは不振も…チャンスを掴んだガルシアとメネセスは?

続いて打者を見てみよう。評価基準を満たした選手は2選手となった。チームへの得点にどれだけ貢献しているかを示す、出塁率と長打率を足したOPSを参考に総合的に評価した。

なお、今季ここまでのMLBのOPS平均は.704。数値は高いほど貢献度が高く、MLBでは1.000を超えると球界を代表する強打者といわれている。

アドリス・ガルシア(レンジャーズ)C:普通

75試合279打数61安打14本塁打42打点 打率.217、OPS.689

NPB在籍:2016巨人NPB通算:4試合0本塁打0打点 打率.000 OPS.000

巨人で4試合出場も無安打で二軍落ち後に契約解除。日本では本領発揮とは言えなかったガルシアだが、MLBではカージナルス、レンジャーズでプレー。21年にシーズン31本塁打と開花した。23年には39本塁打、OPS.836をマークしレンジャーズのワールドシリーズチャンピオンに貢献。昨季が絶好調だっただけに今季ここまではファンの期待を裏切るかたちに。

ジョーイ・メネセス(ナショナルズ)C:普通

68試合251打数61安打3本塁打41打点 打率.243 OPS.620

NPB在籍:2018オリックスNPB通算:29試合4本塁打37打点 打率.206 OPS.651

MLB経験なしでオリックスに入団し、開幕からスタメンも5月に右手首を負傷し登録抹消。さらにはドーピング発覚により退団となった。22年にナショナルズでMLBデビュー。レギュラー定着2年目の今季は、ここまで16試合でマルチ安打を放つも安定感に欠けるため、なかなか打率があがってこない印象だ。

■【その他】元日ハム・マーティンも存在感を発揮

出場数が少なく、今回は評価対象外とした選手もみてみよう。

16~17年に日本ハムでプレーしたクリス・マーティンは、レッドソックスで24試合に登板し、防御率3.70、WHIPは1.03と好投している。同じく日本ハムで18、20年、ソフトバンクで21年にプレーしたレッズのニック・マルティネスは21試合で防御率4.25、WHIP1.13の成績。

16~18年に広島、19年にロッテでプレーしたジェイ・ジャクソンはツインズで20試合に登板し、防御率7.52、WHIP1.14。同じく広島で17年にプレーしたライアン・ブレイシアはドジャースで1先発を含む12試合に登板し防御率4.63、WHIP1.11をマークしている。

23年夏に阪神に加入したコルテン・ブルワーはカブスに移籍し、13試合の出場で防御率2.38、WHIP1.06とまずまずの成績を残している。

以上の元NPB戦士たちは及第点の成績と言っていいだろう。一方で前半戦はなかなか奮わなかった選手もいる。

19~22年にヤクルトでプレーし、21年に胴上げ投手となったスコット・マクガフはダイヤモンドバックスで23年のリーグ優勝に貢献。今季は2先発を含む20試合で防御率6.57、WHIP1.70と停滞気味。

20~23年中日でプレーし、22年には最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得したジャリエル(※NPBではヤリエル)・ロドリゲスは、ブルージェイズで4試合登板も、背中の痛みで現在負傷者リスト(IL)に入っている。

そして、17~19年にキューバからの派遣としてソフトバンクでプレーし、初打席初本塁打で注目されたオスカー・コラスは、ホワイトソックスで13試合に出場し打率.273、OPS.641をマークするもマイナーに降格した。

日本人選手のMLBでの活躍は注目されるが、日本で助っ人としてプレーした選手がMLBで再び活躍する姿が見られるのもMLBの楽しみの一つ。今後も元助っ人たちの活躍にも期待しよう。

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