【ラジオNIKKEI賞/血統展望】「3.1.0.2」を生む“ヘイローの血” 混戦ムードの軸候補に急浮上 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【ラジオNIKKEI賞/血統展望】「3.1.0.2」を生む“ヘイローの血” 混戦ムードの軸候補に急浮上

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【ラジオNIKKEI賞/血統展望】「3.1.0.2」を生む“ヘイローの血” 混戦ムードの軸候補に急浮上
  • 【ラジオNIKKEI賞/血統展望】「3.1.0.2」を生む“ヘイローの血” 混戦ムードの軸候補に急浮上

今週末は、第73回ラジオNIKKEI賞(GIII、福島芝1800m)が行われる。

前走白百合Sを制したレイデオロ産駒ミナデオロ、京都2歳S3着の実績があるジャスタウェイ産駒サトノシュトラーセ、サウジ遠征帰りのデクラレーションオブウォー産駒セットアップなど、多彩な血統構成の馬が集結。

ここでは、馬券検討のヒントとなる「血統」で本競走を攻略する。

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■父SS系が圧巻の好成績

現在と同じ夏開催初週の日曜日に開催されるようになった2013年以降の11回のうち、父サンデーサイレンス系(父SS系)が10勝を挙げる。もちろん単純な出走頭数が多いのも要因ではあるが、とはいえこの成績は立派のひと言。勝ち馬は父SS系から選ぶのがベターだろう。

また馬場状態の良い開幕週に行われる重賞とあって、積極的に運んだ馬が強いのも特徴。昨年の勝ち馬エルトンバローズや一昨年の勝ち馬フェーングロッテンは、いずれも4角3番手とある程度位置を取るレースを展開していた。

ということでまず狙い目になるのが前で運べる父SS系。

2013年以降の当レースにおいて、逃げ・先行策を選んだ父SS系は【6.2.1.22】で勝率19.4%、複勝率29.0%をマーク。中団より後ろで運んだ同系は【4.1.4.41】で勝率8.0%、複勝率18.0%なので、軸にするなら位置を取れる方を選ぶのがベターと言える。

ちなみに差して連対した父SS系はアンビシャス(産経大阪杯勝ち)、フィエールマン(GI3勝)など先々のビッグレースで好走する馬が多いのでそこもセットで覚えておきたい。

■注目はヘイローのクロス

父SS系の先行馬をチョイスしたうえでさらに篩にかけるならヘイローのクロスに注目。

「父SS系の逃げ・先行馬かつ父母間でのヘイロークロスを持つ」という条件に当てはまる馬のラジオNIKKEI賞における通算成績は【3.1.0.2】で勝率50.0%、複勝率66.7%というハイアベレージをマークしている。

【父SS系の逃げ・先行馬かつ父母間でのヘイロークロスを持つ馬のラジオNIKKEI賞成績】・2008年 ノットアローン⇒6人気2着・2013年 ダイワストリーム⇒7人気7着・2014年 ウインマーレライ⇒5人気1着・2020年 バビット⇒8人気1着・2022年 フェーングロッテン⇒3人気1着・2022年 オウケンボルト⇒9人気10着

ヘイローの血は基本的に小回り向きの軽快なスピードが売り。この血を父母間をクロスさせ形質として表現させることで、コーナー4つの福島芝1800mという機動力が求められる条件への対応力が増すのだろう。

ちなみに2013年以降、唯一父SS系以外で勝利を収めた2021年のヴァイスメテオールも母父のキングヘイローからヘイローの血を補給していた。ここからもヘイローの有用性がお分かりいただけるだろう。

また父SS系以外でも、父母間ヘイロークロスを持つ馬からは2021年11人気2着のワールドリバイバルや2018年9人気3着のキボウノダイチなど、穴での好走馬が出現している。ちなみにこの2頭も積極策を選んだ馬だった。

ということでヘイローのクロスで小回り適性をチューンナップした逃げ・先行馬が強いという点を押さえておきたい。

■ウインマクシマムは小回りコースでこそ

今回注目したいのは、ヘイローのクロス内包馬。その該当馬としてウインマクシマムをピックアップする。

父はキタサンブラック、半姉ウインピクシスはクイーンSでドゥーラの2着、福島牝馬Sでコスタボニータの3着などコーナー4つの中距離重賞で活躍している。短距離馬だった母コスモアクセスに本格派の父という配合が共通していたため、ウインマクシマムも半姉と似たような小回りでの先行脚質に出た。

母父がロージズインメイなので、キタサンブラックが引くサンデーサイレンスとの間でヘイローのクロス(4×5)が発生する格好になる。レースの傾向から考えると、脚質的にも血統的にも適性はかなり高いと見る。

そもそも青葉賞の時点で「ラジニケでお会いしたい」と言っていたように、この馬については当初から小回り向きとの見立て。それが青葉賞であそこまで粘ったのがむしろかえって驚きだったりする。

確かに東京芝2400mのゆりかもめ賞を勝っているが、ラップを見るとラスト4-3F区間で1秒以上加速するレースだったことが分かる。大箱向きのストレッチランナーより小回り向きの機動力型の方がギアチェンジ能力には長けているので、その強みを活かせるレースだったのは間違いなく、決して大箱適性の高さで勝ったレースではないだろう。

小回りに替わり相手関係も楽になるここはしっかり狙っておきたいと考える次第だ。

ウイン冠の馬に跨る松岡騎手というのもいかにもラジニケっぽい文字列。思い返せばウインマーレライもヘイロークロス持ちの父サンデー系だった。

あとは枠と週末の馬場コンディションを見つつ、最終結論に至りたい。

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著者プロフィール

ドクトル井上【重賞深掘りプロジェクト】血統サイエンティスト。在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

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