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オリックスからポスティングシステムでメジャー移籍を目指している山本由伸投手。争奪戦に発展しており、ヤンキースやメッツ、ドジャースなど7球団が争っていると言われている。米メディア『CBS SPORTS』は19日(日本時間20日)、山本を必要としている球団をランキング化し、公開。どのチームがもっとも日本のエースを求めているのか分析した。
◆山本由伸の争奪戦、最有力は依然ヤンキース ドジャースで大谷翔平の影に隠れることを懸念か 米メディア報道
■投手力充実のブルージェイズが最下位
『CBS SPORTS』は「メッツはエースが必要、ジャイアンツはスターが必要、ドジャースにはイニングが必要」と見出しを付け、各球団が山本をどれだけ必要としているか、その切実度を基準にランキング化した。対象としたのは、争奪戦に参加しているヤンキース、メッツ、ドジャース、ジャイアンツ、ブルージェイズ、フィリーズ、レッドソックスの7球団。
同メディアは7位、つまり必要度がもっとも低い球団としてブルージェイズを指名。チームには菊池雄星やクリス・バジット、ホセ・ベリオス、ケビン・ガウスマンらスターターがすでに揃っており、2022年に16勝を挙げたものの今季は3勝に終わったアレク・マノアも復活を期すという状況。山本を獲得する必要性は他球団より低いと判断された。
6位からは順にフィリーズ、ドジャース、ヤンキース、レッドソックス、ジャイアンツとなり、当然だが先発ローテーションの補強が急務なチームほど上位に入った。
そして1位はメッツ。マックス・シャーザーやジャスティン・バーランダーら大物投手を獲得したもののチームは低迷。再建を目指しているが、記事は「千賀滉大を除き先発投手陣はインパクトに欠ける」と指摘。25歳と若く、長期契約を結べる日本のエースは是が非でも欲しい人材とした。
スティーブ・コーエン・オーナーが条件面で競り負けることは考えにくいが、ヤンキースのように盟主としての伝統があるわけでもなく、ドジャースのように大谷翔平投手をはじめスター選手が揃っているわけでもないメッツは、条件以外の要素でライバルの後塵を拝す可能性がある。
■スネルやヘイダーにターゲット変更か
山本を逃した場合のプランとして、米紙『ニューヨーク・ポスト』ジョン・ヘイマン記者は「ブレイク・スネルかジョシュ・ヘイダー、できれば両方、さらにブリュワーズのエースであるブランドン・ウッドラフ(10月に右肩を手術したため来季は全休予定だが、復活する25年を見越して人気を集めている)を獲得する必要がある」と訴え、山本の穴をビッグネームで埋めるよう訴えた。
一方、MLB公式サイトは別の見方を展開。山本獲得が失敗に終わった場合、メッツはFA市場で人気を集める大物には向かわないとした。記事は「チームはヤマモトには喜んで大型契約を与えても、スネルやジョーダン・モンゴメリーには同様の感情を抱いていない」と言及。球団は30歳を超えている選手との長期契約には慎重になっており、山本を逃した際にはビッグネームに資金を集中させることなく、先発、外野手、ブルペンと幅広く獲得する意向だと伝えた。
山本をどこが獲得するのか、そして敗れたチームはどういう補強に転換するのか、ストーブリーグから目が離せない。
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文●SPREAD編集部