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ロサンゼルス・エンゼルスは23日(日本時間24日)、昨夏より進めてきた球団売却交渉を終了すると発表。アルテ・モレノ・オーナーが球団を通じて声明を発表し、2023年以降も所有権を継続することを明らかにした。球団売却が白紙となり、今季終了後にフリーエージェント(FA)となる大谷翔平の去就にも影響が出そうだ。
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■ファン失望「期待していた結末ではない」
突然の球団売却中止を巡り、米メディアが最も関心を寄せているのは、やはり大谷の去就だ。
移籍情報を扱う『MLB Trade Rumors』は、「モレノ体制継続となったエンゼルスには解決しなければならない様々な問題がある」と指摘した上で、「最大の未知数はオオタニの将来だ」と記した。
「二刀流のスーパースターは今季終了後にFAとなる。これまでは(モレノ氏の後継者となる)新オーナーはオオタニをエンゼルスに残すためにメガ契約を提示するのか、チームを整理し、再出発する方向に舵を切るのかなど多くの人が推測してきた。しかし、今やこれらの質問はすべてモレノ氏に向けられることになる。そして、球団側は交渉において合意点が見つけられるのか、それともオオタニが次のキャリアを別の場所で過ごすことをすでに決意しているのかどうか見極めなければならない」と記した。
米地元紙『オレンジ・カウンティ・レジスター』は、「エンゼルスの新しいボスは……古いボスと同じだった」との見出しで記事を公開。「モレノ氏の決断はファンが期待していたような結末ではない」とし、球団売却中止に失望感をにじませた。大谷についても「球団売却が取りやめになったというニュースは、ショウヘイ・オオタニのフランチャイズでの将来に何を意味するのか、多くのファンをやきもきさせている」と言及した。
■「LAへの執着恥ずかしい」辛辣な声も
また、同紙は読者から届いた声を紹介。「今シーズンのチケットは買わない、我々のお金でアルテ・モレノの私腹を肥やすのはごめんだ」や「カモが見つからなかったのか」、「オーナーのLAへの執着が恥ずかしい」という辛辣なもので占められた。
そのほか、米スポーツサイト『The Athletic』も「おそらく、この売却中止の決定により最も影響を受けるのはオオタニの将来だ」とした。
同サイトは「モレノ氏がオーナーとして留まるということは、支出パターンも継続されることを意味する」と分析。強化予算が大幅に増えない以上、8年連続でプレーオフ進出を逃しているチームを変えることはできないと指摘。そうなると「勝てるチームでプレーしたい」という大谷を引き留めることも難しくなるという論調を展開。
「モレノ体制継続が決まったらファンは楽観できない。エンゼルスをプレーオフや優勝に導くのにモレノ氏が本当に適任なのかどうか、疑問に思うのは当然なこと。しかし、今のところチームとファンには(モレノ氏以外に)選択肢はない」と嘆いた。モレノ・オーナーのままで、エンゼルスのプレーオフ進出は厳しく、すると大谷がエンゼルスを去るのは避けられない…そんな悲観的な見方も見受けられる。
まさかの急展開を見せたエンゼルス身売り騒動。大谷争奪戦にどれほどの影響を及ぼすのか、注目が集まっている。
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文●SPREAD編集部