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FIFAワールドカップ・カタール2022を制したアルゼンチン…、その36年ぶり3度目の優勝を祝うパレードが20日(日本時間21日)の昼頃、首都ブエノスアイレスで行われたが、安全面の懸念から途中で打ち切られた。約400万人のファン・サポーターが集結し、群衆のコントロールに危機感を持った警察の指導が入った模様だ。海外メディアがパレードの様子を報じている。
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■警察が途中でストップかける
アルゼンチン代表は20日の午前3時頃に帰国。選手たちを乗せたバスは宿泊施設となるアルゼンチンサッカー協会のトレーニングセンターに向かったが、この時すでに道中は人で埋め尽くされており、真夜中のパレード状態となっていた。
そして、一夜を明かした選手たちはバスに乗り、市中心部にあるオベリスク(街のシンボルである塔)までの約30キロにおよぶ優勝パレードをスタートさせた。同日は政府により急きょ祝日と制定されたため、沿道や広場には多くの人がつめかけた。
しかし、混雑ぶりや人々の興奮は時間を追うごとにエスカレート。海外複数メディアによると、道路にまで人があふれてバスは約15キロ進んだところでストップ。道路にかかる橋からバスの屋根に飛び移ろうとするファンが現れるなど、危険性が増したためパレードは結局中止になった。一部報道では橋から飛んだもののバスに着地できず、直接地面に落ちたひとりが重体となっているという。そのほか、パレードを一目見ようと街灯や木などに上った人たちが落下し、ケガ人が多数出ているという報道もある。
■協会会長「心からお詫びしたい」
アルゼンチンサッカー協会のクラウディオ・タピア会長はパレードの途中打ち切りを受け、「オベリスクにいたすべての人々にあいさつができなかった。護衛の警察から中止を要請された。予定通りパレードを終えることができず悲しい。チャンピオンチームを代表して、心からお詫びしたい。残念だ」とコメントした。
選手たちは軍のヘリコプター数機によりピックアップされ、オベリスク上空を旋回。集まったファン・サポーターに空から感謝を伝えた。
その後、選手たちは解散。大会MVPのリオネル・メッシは、アンヘル・ディ・マリアらとともにロサリオへ帰郷。アントネッラ・ロクーゾ夫人の運転する車に乗り込み、母親らが待つ実家へ向かった。当然、家の周りにも多くの人が押し寄せていたが、警備体制が敷かれていたこともあり、無事に帰宅できたようだ。
また、メッシは20日までに自身のインスタグラムを更新し、W杯トロフィーを抱えたままベッドで睡眠をとる姿を投稿。どれだけW杯王者の称号を求めていたのか、それが分かる写真だった。
今後は所属するパリ・サンジェルマンで欧州チャンピオンズリーグとリーグ・アン制覇を目指す戦いが待っている。リーグ戦の再開は28日だが、メッシやキリアン・ムバッペらには休養が与えられており、メッシは12日間のオフを過ごした後、トレーニングを再開させる予定だという。メッシ、ムバッペ、ネイマールが集うパリ・サンジェルマンもさらなる注目を集めそうだ。
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文●SPREAD編集部