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ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は23日(日本時間24日)、敵地で行われたアトランタ・ブレーブス戦に「1番DH」でスタメン出場。大谷は第2打席にライト前安打を放ち後半戦初安打をマークすると、続く第3打席にはライトスタンドに突き刺さる弾丸の第20号ソロ本塁打で2試合ぶりのマルチ安打も記録。今日は4打数2安打1打点の成績を残し、前日投手として受けた屈辱を打で晴らした。
しかし、エンゼルス打線はブレーブスの序盤からのリードにまったく追いつけず、2-7で敗退。大谷はメジャーキャリア3度目のシーズン20本塁打以上を達成したが、またも空砲となった。
◆【実際の映像】大谷翔平、シーズン20号到達は“超低空”弾丸ライナー ライトから放った右翼への一発
■9試合ぶりの待望の一発はまさに弾丸ロケット
大谷は5回の第3打席、カウント2-2からの真ん中低めのチェンジアップを捉え、9試合ぶりとなる第20号ソロ弾を放った。飛距離は361フィート(約110メートル)だった。大谷の打球は打球角度22度と低めながらも打球速度は約110マイル(約177キロ)で、打球は一瞬でライトスタンドに突き刺さった。
中継局『バリースポーツ・ウエスト』で実況を務めるマーク・グビザ氏によると、スタンド到達まではたった3.4秒だったという。まさに弾丸ライナーの一発だ。グビザ氏は前日に続きツイッターで「3.4秒!!!! Sugoi!(スゴイ!)」と日本語を綴り、「ユニコーンには驚かされ続ける!!」と大喜びで伝えた。また、MLB公式アカウントもツイッターで映像を載せながら、「ショウヘイの今季20号はロケットだ」と紹介。打球のあまりの速さに、現地メディアは一様に驚いた様子を見せた。
■トラウトの復帰未定、ネビン監督代行の退場処分に現地メディアも落胆
23日(同24日)、『MLBネットワーク』のジョン・モロシ記者は自身のツイッターで、「MLB複数球団がショーヘイ・オオタニのトレード交渉をエンゼルスに持ちかけているが、エンゼルスは8月2日(同3日)のトレード期限前にスーパースターを移籍させる計画はないみられる」と情報筋の話を伝えた。これにより大谷が今夏中にトレードされないことがほぼ決定的と言えそうだ。
しかしながら、大谷が所属するエンゼルスは好転する様子がない。今日の試合前、左胸郭の炎症で10日間の負傷者リスト入り中の主軸のマイク・トラウトの状況が報じられた。それによれば、トラウトは数日前に背中にコルチゾン注射を受けており、当初予定されていた7月25日(日本時間24日)の復帰に間に合わないことが判明した。『オレンジカウンティ・レジスター』や『MLB.com』など複数のメディアが伝えている。
また、今日の試合ではフィル・ネビン監督代行が今季3度目の退場処分を受けた。理由は4回裏のブレーブスのオースティン・ライリーへのスイング判定を巡る抗議によるもの。ネビン監督代行は、同場面のみならず5回の大谷のソロ本塁打後にも審判団に詰め寄り、退場を宣言された。
ネビン監督代行の行動に、エンゼルスで長年実況を務めた、ビクター・ロハス氏はツイッターで「ネビンは今(5回)ではなく、ライリーのホームラン直後に抗議すべきだった。なぜ待ったのか」と苦言を呈した。大谷の活躍を台無しにする醜態を見せたエンゼルスに、現地メディアも呆れた様子だ。
現地報道によれば、大谷の次回先発は28日(同29日)本拠地でのテキサス・レンジャーズ戦となる。ベーブ・ルース以来104年ぶりの「2桁勝利2桁本塁打」の偉業達成に期待したい。
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文●澤 良憲(Yoshi Sawa)