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ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は16日(日本時間17日)、本拠地でのロサンゼルス・ドジャース戦に「2番DH」でスタメン出場。試合直前にマイク・トラウトの欠場(背中痛のため)が決まり打順が変わった大谷だが、毎打席でバットを果敢に振り4打数2安打と今季23度目のマルチ安打をマークした。
試合は、ブランドン・マーシュが2試合連続本塁打を放つ活躍をするも、ドジャースの序盤の大量リードに追いつくことができず、1−7で敗北。今年の「フリーウェイ・シリーズ」はドジャースの連勝で幕を閉じた。
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■まるで『ドカベン』に登場する坂田三吉
今日の試合、大谷が各打席で見せた姿は現地記者を驚かせた。まずは第1打席。大谷は相手左腕のフリオ・ウリアスの内角に入ったシンカーをスイングするも、打ち上げて内野フライ(遊飛)に倒れた。しかし、その打球を見たAP通信のグレッグ・ビチャム記者は、「ショーヘイ・オオタニのバットはポップフライで粉々になるも、打球は内野の後ろ側、右翼手の約10フィート(約3メートル)に落ちた。この男は(やることが)すべてデカい」と驚愕。
また、第2打席では再びボールを内野に打ち上げるも、一塁手のフレディ・フリーマンが落とし、エラーで出塁。『バリースポーツ』のエリカ・ウェストンレポーターは、その打球の高さに「これまで見てきた中で最も高い飛球、もちろんオオタニだからね。フリーマンも見失った」とツイート。普段は辛口コメントの多い、元『ジ・アスレチック』のブレント・マグワイア記者も「ショーヘイ・オオタニは内野のポップフライでも印象的だ。ボールは長い時間滞空し、フレディ・フリーマンは捕り損ねた」とコメントし、驚いた様子を見せた。
この打球にはネットでも「通天閣打法」の文字が踊った。これは水島新司の『ドカベン』に登場する通天閣高校の坂田三吉が得意とする打球そのものと思ったファンも多かったのだろう。
シーズン前半の最後の試合で、第20号は出なかったが、大谷は打ち損じでも現地に強烈なインパクトを残し、後半戦への期待を繋げた。
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文・澤 良憲(Yoshi Sawa)